予想的中(昨年の予想ですが):化学賞は今年こそゲノム編集技術ではないか 細菌や古細菌(アーキア)が持つ免疫能力を利用した画期的な手法 高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター 2020年ノーベル化学賞は、ゲノム編集技術を開発したジェニファー・ダウドナさんとエマニュエル・シャルパンティエさんが選ばれた。2019年にこの2人の受賞を予想した記事をここに再掲する。 ◇ 昨年は「化学賞はどうせ当たらないのだから、気楽に予想する」と開き直り、「生物無機化学への貢献」で米国カリフォルニア工科大学のハリー・グレイ教授と、マサチューセッツ工科大学のスティーブン・リパード教授と予想した。はい、「どうせ当たらない」という予想が当たりました。 「方法の開発」を高く評価する化学賞 受賞したのは、「酵素の指向性進化法」のフランシス・アーノルド米国カリフォルニア工科大学教授と「ペプチドと抗体のファー