気温が下がり、日照時間が短くなると増える「冬季うつ」。産業医で精神科医の井上智介さんは「一般的なうつとは反対に、冬季うつは過食と過眠の症状が特徴。春になると症状がおさまることが多いが、本格的なうつに移行することがあるので注意が必要です」という――。 体がエネルギーを蓄えようとする 秋から冬に入る気温差の激しいシーズンは、自律神経が乱れやすくなります。人間は、常に体温をキープし、調整していかなければならないので、気温差が激しくなるほど自律神経が活発に働き、その分体に負担がかかり、疲労もたまるのです。 また冬になると、人間の体もほとんどの動物と同じように、厳しい寒さを乗り越えるための生理的な反応として、エネルギーを蓄える行動に移ります。眠気が強くなったり、カロリーの高いものが食べたくなったりするのはこのためです。 さらに冬は日照時間が短くなるので、意欲を高めたりする作用があり「幸せホルモン」と