今年度後半に打ち上げが予定されている日本の新たな主力ロケット「H3」の2号機について、文部科学省は24日、ことし3月の初号機の打ち上げ失敗を受けて計画を変更し、開発中の地球観測衛星を搭載せずに打ち上げる方針を示しました。 これは24日、文部科学省が国の宇宙開発について審議する宇宙開発利用部会で説明しました。 日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機はことし3月7日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたあと、2段目のエンジンが着火せず打ち上げに失敗し、搭載していた地球観測衛星「だいち3号」が失われました。 24日の会議でJAXA=宇宙航空研究開発機構は、失敗の原因究明について説明するとともに、今年度後半に打ち上げが予定されているH3の2号機に搭載するため開発中の「だいち4号」について、「喪失するリスクは政策的な影響や関連分野への影響を考えると非常に大きなものになる」と説明しました。
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」※1は、2014年の打上げから現在まで全国の地殻変動や隆起などの地表面の動きを継続的に繰り返し観測してきました。この「だいち2号(ALOS-2)」の観測データを用いて作成された日本全国の“地殻変動の地図”が、国土交通省国土地理院(以下、国土地理院)より3月28日に初公開されます。 この「だいち2号(ALOS-2)」の2014年8月からの8年以上のLバンドSAR※2データを用いて、国土地理院により、全国の干渉SAR時系列解析が実施されました。正確な干渉SAR処理を行うには長期的に安定した衛星の追跡管制(衛星の軌道高度での維持運用および軌道高度・姿勢の高精度での決定)と、高精度の軌道・姿勢情報をもとにしたSARデータ処理技術が必要であり、JAXAと国土地理院の技術協力により可能とな
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2023年2月12日(日)に先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を載せたH3ロケット試験機1号機の打ち上げを予定しています(※)。そこでこの度、2006年に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から続く「だいち」シリーズ衛星のさらなる認知向上を目的として、アーティストの三浦大知さんに「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーに就任していただきました。アーティストを地球観測衛星のアンバサダーとして起用するのは、JAXAとしては初めてとなります。 就任に伴い、「だいち」シリーズ衛星のイメージソングとして三浦さんが「だいち」シリーズ衛星のために書き下ろした新曲「ALOS」(エイロス)が使用されることとなりました。また、JAXA筑波宇宙センターでの撮影の模様も入れたミュージックビデオも制作されました。新曲「ALOS」は2月1日(
STORY 宇宙から 地球を観測する衛星 『だいち3号』を、 試しに人間の視力に 置き換えてみたら とんでもない数字が出てきた 2022.12.23 : #宇宙開発 人工衛星とは地球を回りながら観測を行う、文字どおり人が作った衛星のことを指す。宇宙の謎に迫る科学衛星や、国内外のテレビ中継などに使われる通信放送衛星など、用途はさまざま。今回取材した「だいち3号」は地球の状態を監視する「地球観測衛星」。 日本上空の雲を撮影する気象衛星「ひまわり」のシリーズもそのひとつだ。 取材を終えた私は、デスクに報告した。 「670キロ上空から、地上にある80センチの物体を見分けられるんですよ」 デスクが間髪を入れず問い返してきた。 「それって人間の視力でいうとどれくらい?」「・・・。」 …答えられなかったので、さっそく調べてみた。 神奈川県鎌倉市にある三菱電機鎌倉製作所。厳重に管理されている。 建物に入る
欧州宇宙機関に所属する宇宙飛行士 その宇宙飛行士とは、欧州宇宙機関(ESA)に所属するThomas Pesquetさんだ。 彼はこれまでにもISSにおいて美しいオーロラや、地球の大気の様子などを撮影し、ネットに投稿してきた。 そして先日、ヨーロッパの上空で何かが爆発するような、青い光を撮影した。 flickr_Thomas Pesquet 「超高層雷放電」と呼ばれる大気現象 実はこれは爆発ではなく、「超高層雷放電(transient luminous event)」と呼ばれる大気現象とされている。 「超高層雷放電」は、高度20–100kmの成層圏、中間圏、下部熱圏にかけて起こる、放電による発光現象のこと。簡単にいうと、地上からは見えない大気の上層部に稲妻が現れるものだ。 Pesquetさんは写真の中で、次のように述べている。 「この稲妻の魅力は、ほんの数十年前まではパイロットの逸話として語
台風19号がもたらした記録的大雨で、東北から東海地方の広い範囲で大量の土砂が海に流出した様子を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の気候変動観測衛星「しきさい」がとらえた。河口付近から10~20キロ先まで海が土砂で濁っているのが分かる。 この衛星画像は13日午前10時50分ごろに撮影した。データを分析した広島大の作野裕司准教授(衛星海洋学)は「海の濁りの広がりから当時、川の流れが相当速かったことがうかがえる。今後、ほかのデータも組み合わせて、大雨などに伴う、土砂の広がりを予測し、漁業や養殖業者向けに事前に通知できる仕組みを作りたい」と話している。(杉本崇)
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所(極地研)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、水循環変動観測衛星「しずく」のデータを用いた北極海の海氷観測研究を連携して進めており、得られた海氷情報を極地研の北極域データアーカイブシステム(ADS、https://ads.nipr.ac.jp/vishop/)を通じて準リアルタイムで公開しています。 北極海の海氷面積は毎年9月に最も小さくなります。「しずく」に搭載している高性能マイクロ波放射計(AMSR2)による観測データを分析した結果、今年は9月17日に極小値となる396万平方キロメートルを記録し、その後増加に転じました。この面積は今年の最小値と見られ、2012年に次ぐ衛星観測史上2番目の小ささとなりました(図1)。 また、数値予報モデルで算出した海氷の体積(海氷量)は2012年よりも小さくなっていました(2012
スペースXの動画中継の1コマ。ファルコン9ロケットがスターリンク衛星を軌道に投入する様子が捉えられている。全世界にインターネットサービスを提供しようとするスペースXの計画にとって、今回の60基は始まりに過ぎない。天文学者たちは、このプロジェクトが科学に及ぼす影響や、一般の人々が見上げる夜空の変化を懸念している。(PHOTOGRAPH BY SpaceX) 米スペースX社のイーロン・マスク氏が思い描くようにことが運べば、近い将来、夜空には新たに約1万2000個の「星」が輝きはじめることになる。 星といっても、同社が計画する巨大通信衛星網「スターリンク」の人工衛星が反射する光だ。スターリンクは、これまで電波が届かなかった僻地や、航空機、船舶、自動車が地球上のどんな場所にいても高速ブロードバンドを利用できることを目指している。完成は2020年代中頃としている。(参考記事:「スペースX新宇宙船、米
ロシアの「ソユーズ 2.1b」ロケットの打ち上げが5月27日に実施され、ロケットに雷が落ちるというハプニングがあったものの、人工衛星「GLONASS-M」は無事投入に成功しました。 ロシアのプレセツク宇宙基地から打ち上げられたソユーズ 2.1bは、落雷にあいながらも航行を継続。なお、ロケットが雷に打たれるケースは1969年の「サターンV」ロケットの打ち上げでも発生しました。 そして、打ち上げられたGLONASS-Mは予定軌道に投入されただけでなく、オンボードシステムも正常に動作していることが確認されています。 測位システムのGLONASSを構築するGLONASS-Mは最新の航行衛星で、ロシアの軍事用途、および民生向けのサービスを提供します。 Image: Roscosmos ■Lightning Strikes Russian Rocket During Satellite Launch
米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、衛星60基を搭載したスペースXのロケット「ファルコン9」。同社がインターネット配信した動画より(2019年5月23日撮影)。(c)AFP PHOTO / SPACE X 【5月30日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)が打ち上げた人工衛星が、明るく光りながら一列に夜空を上昇していく様子は、まるで大ヒットSF映画のワンシーンのようだった。オランダの天文学者が捉えた映像に、世界中の天文愛好家が魅了された。 だが、この光景を見た天文学者らからは抗議の声も上がっている。先週末打ち上げられた通信衛星60基は、スペースXの1万2000基の通信衛星で宇宙からブロードバンドインターネットサービスを提供する「スターリンク(Starlink)」計画の一環。天文学者らはこれらの通信衛星が地球からの宇宙観測を脅かし、科学的発見に大打撃を与える可
夜空に映し出される人工衛星の映像は壮観だが、科学への影響が懸念されている。 スペースXは5月23日、自社のインターネット・コンステレーション(衛星群)である「スターリンク(Starlink)」を構成する、最初の60基の人工衛星を打ち上げた。これらの人工衛星は、地球低軌道(LEO)において、国際的なブロードバンド・インターネット・ネットワークのバックボーンとなる。最終的には、スペースXは1万2000基近くの人工衛星を打ち上げたいと考えている。 人工衛星観測者のマルコ・ランブルックが5月25日に撮影した映像では、60基の人工衛星が「列車」のように連なって夜空を横切る様子が映し出された(ただし、時間が経つに従って離れ離れになっていった)。こうした人工衛星は夜ではなく、夕方と明け方にしか見られないものだが、予想よりもはるかに明るかった。おそらく、人工衛星の巨大な太陽電池が太陽光を反射しているからだ
中国の月探査機「嫦娥4号」にて、発芽が確認された綿花。こちら残念なことに、枯れてしまったことが確認されました。 嫦娥4号では生態系実験として、じゃがいもの種、アブラナやシロイヌナズナといった植物、ハエの卵、イースト菌を搭載していました。そして、月面での生態系の再現を目指しています。 まず、低重力や強い放射線、大きく上下する気温にもかかわらず、綿花の種が芽吹きます。しかし月の裏が夜になると、気温が急激に下がったことが原因(マイナス52度)で、綿花は枯れてしまったのです。 今回嫦娥4号に搭載された生態系の再現実験は、一般から公募されたものでした。今後月で植物を育てるには、少なくともヒーターは必須となることでしょう。 Image Credit: Chongqing University ■China's Moon Plants Are Dead https://www.space.com/430
月の裏側で探査を行っている中国の月面探査機「嫦娥4号」で植物の生育実験が行われ、中国メディアは、月で初めて綿花の種を発芽させるのに成功した、と伝えました。 また探査機の中では地球から持ち込んだ植物の種の生育実験が行われ、国営の中国中央テレビは15日、月で初めて綿花の種を発芽させるのに成功したと伝えました。 月は昼と夜の寒暖の差が激しく植物が育つのが難しいため、実験は温度を一定に保つ特殊な容器の中で行われ、中国中央テレビの画像には綿花の種から緑色の芽が出ているのが写っています。 またこの容器の中にはカイコの卵やじゃがいもの種も入っていて、ふ化したカイコが排出した二酸化炭素で植物が光合成を行う「小さな生態系」を作る実験も行われているということです。 月の探査をめぐっては、おととしアメリカのトランプ大統領が月を周回する軌道上に宇宙開発の拠点となる施設を新たに作るよう指示するなど、再び重要性が高ま
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成30年10月29日に打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)※1の初期機能確認運用※2を実施していますが、12月12日から14日にかけて、同衛星に搭載された「温室効果ガス観測センサ2型(TANSO-FTS-2、以降FTS-2)」の初観測を行い、FTS-2が正常に動作することを確認しました。 FTS-2は、温室効果ガスがその種類に応じて固有の波長の光を吸収する性質を利用して、大気中を通過する光の波長成分を細かく分解(分光)し、固有の波長での吸収度合い(吸収線)を測定することで、温室効果ガス濃度を算出します。本文図1は、12月13日午後1時頃の名古屋上空の観測結果※3です。二酸化炭素、メタン、一酸化炭素等による吸収を受けた正常な分光データを計画通り取得し、FTS-2の健全な動作を確認しました。 また、FTS-
地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを観測する日本の人工衛星「いぶき2号」を載せたH2Aロケットは、29日午後1時8分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、「いぶき2号」は予定どおり分離されました。また、一緒に搭載したUAE=アラブ首長国連邦の地球観測衛星の分離も予定どおり行われ、打ち上げは成功しました。 ロケットは補助エンジンなどを切り離しながら上昇を続け、打ち上げからおよそ16分後の午後1時24分ごろ、高度612キロ付近で「いぶき2号」を予定どおり分離しました。 また、今回、H2Aロケットは海外から3機目の打ち上げの受注となったUAE=アラブ首長国連邦の地球観測衛星「ハリーファサット」も載せていて、「いぶき2号」に続いて、午後1時32分ごろに予定どおり「ハリーファサット」を分離して打ち上げは成功しました。 日本の「いぶき2号」は、環境省とJAXAなどが開発した人工衛星で全長は
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