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書評に関するkaionjiのブックマーク (248)

  • 『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ

    テロ、紛争、無差別殺人。世界は悲劇的なニュースで溢れている。人類は自らの手でその未来を閉ざしてしまうのではないか、と不安になる。ところが、著者スティーブン・ピンカーは大胆にもこう主張する。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない にわかに信じがたいこの説を検証し、読者に確信させるためにピンカーは、人類の暴力の歴史を大量の統計データとともに振り返る。書が上下で1,300ページ超という並外れたボリュームで膨大な文献を引用しているのは、並外れた説の主張にはそれに見合った証拠を提出する必要があるからだ。しかし、ピンカーが「統計のない物語が盲目であるとするならば、物語のない統計は空疎である」と語るように、書はデータばかりが延々と続く退屈なものではない。持続的な暴力減少を示す圧倒的な事実の積み重ねとそのメカニズムに対す

    『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ
  • 日の名残り - Wikipedia

    『日の名残り』(ひのなごり、The Remains of the Day)は、1989年刊行のカズオ・イシグロの小説。同年のブッカー賞を受賞した。この作品は一人称視点によるバイアスを巧妙に利用した例としてしばしば取り上げられる。語り手の執事スティーブンスの元主人は第二次世界大戦前における対独宥和主義者であるが、スティーブンスはその点を意図的にぼかしている。また女中頭のミス・ケントンとの淡いロマンスについても回想の中で理想化されている。 1993年にジェームズ・アイヴォリー監督で映画化された。 あらすじ[編集] 物語は1956年の「現在」と1920年代から1930年代にかけての回想シーンを往復しつつ進められる。 第二次世界大戦が終わって数年が経った「現在」のことである。執事であるスティーブンスは、新しい主人ファラディ氏の勧めで、イギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。前の主人ダーリン

  • 『総力戦 (現代の起点 第一次世界大戦 第2巻)』by 出口 治明 - HONZ

    このほど、岩波の「現代の起点 第一次世界大戦」全4巻が完結した。第1巻は世界戦争、2巻は総力戦、3巻は精神の変容、4巻は遺産、と名付けられ、夫々約10編の論文から構成されている。今年はサラエボの銃声からちょうど100年、いかにも岩波らしいオーソドックスな取組である。各巻ともとても面白く、改めて大変勉強になったが、ここでは主に「第2巻総力戦」を取り上げたい。 第一次世界大戦は、前線と銃後の区別をなくした初の総力戦であったとよく言われるが、アメリカを除くと両陣営の総力は1913年の時点ではかなり均衡していたことがよく分かる。 また、この表を見ると、突出した国力を持つアメリカが連合国側についた時点で勝敗の帰趨が決着をみたこともよく分かる。第一次世界大戦は、死者数においてもこれまでの戦争とは文字通り桁違いである。フランス革命&ナポレオン戦争の約440万人に対して第一次世界大戦は約2,600万人(因

    『総力戦 (現代の起点 第一次世界大戦 第2巻)』by 出口 治明 - HONZ
  • 読者の欲望に応え、物語の順番まで入れ替えてしまう「なろう小説」 - 群青

    2014-07-15 読者の欲望に応え、物語の順番まで入れ替えてしまう「なろう小説」 カゲプロについて書いた先日の記事がすごい盛り上がったのでもう一回カゲプロの記事を書こうかなと思わなくもないんですが、あえてちょっと裏切っていこうかなと思います。というか、最近の小説の動向について語ろうと思ったら、見逃せないシーンがまだまだあると思うのです。 というわけで、「なろう小説」について。 「小説家になろう」といえば異世界小説だと思ってはいないでしょうか。 それは間違いではなくて、確かに異世界に主人公が転生したりワープしたりする小説ランキング上位で幅を聞かせているわけですが、「なろう小説」を知る上で、ぼくが大事だと思っているのは、「作家たちがあの手この手で読者の欲望に答えようとしている」という点です。異世界ものが多く生まれているのは、その単なる結果と言って良いと思います(作家志望にとってのファンタ

  • 人の命は金になる『凶悪 ある死刑囚の告発』

    人を殺し、その命を金に換えるビジネスモデルが詰まっている。 借金にまみれた人生の破綻者、家族からも見放されたリストラ対象者、土地つきボケ老人、生命保険に入っている死にぞこないを見つけてきては酒に溺れさせ、面倒をみてやり、小金を貸してやる。最終的には、土地や預金通帳などを手にいれ、土地は転売してサヤをとる。不動産がなければ保険金だ―――良心ないし魂を売り渡せば、数百万が億になる老人ビジネス。 死刑囚が、獄中から、告発する。被害者は複数で、首謀者は娑婆にいる―――という話なのだが、設定だけ聞くと、よくできたフィクションだ。絞殺死体を焼却炉で燃やす件や、純度の高いウォッカを無理やり飲ませて殺す場面など、非常にフィクションであって欲しいのだが、恐ろしいことに、[上申書殺人事件]のルポルタージュだ。 告発者は元ヤクザで殺人犯の後藤。裏切りか報復か、抑えた筆致でも骨髄まで染みる恨み言に、読んでるこっち

    人の命は金になる『凶悪 ある死刑囚の告発』
  • 今から統計学を学ぶならコレ!間違い無しの超良質記事まとめ10選。 | SIROKグロースハックブログ

    グロースハックを格的にしようとすると、統計学が出来ると凄く便利!今回は、この記事を見ておけば今からでも統計学を使いこなせるようになる記事をピックアップしましたので、ご覧下さい! ハンバーガーショップで学ぶ楽しい統計学 にもなっている統計学の入門には最適な決定版サイト。広く使われている統計手法について分かりやすく解説されています。 オンラインで無料で読める統計書22冊 Web上で閲覧可能な統計書がまとめられている超お得な情報が詰まっている記事。 WEBで読める統計関係の良質な資料 統計に関する良質な資料がまとめられている記事。 統計屋による新社会人のための統計系入門書お薦め一覧 統計について学べる入門書についてまとめられている記事。 統計学を勉強するときに知っておきたい7つのポイント 統計学を学ぶ上で、重要なポイントが整理されている記事。 統計学を勉強するときに知っておきたい

    今から統計学を学ぶならコレ!間違い無しの超良質記事まとめ10選。 | SIROKグロースハックブログ
  • 【書評】コンパクトな統計学史:『マンガ 統計学入門―学びたい人のための最短コース』 - Interdisciplinary

    マンガ 統計学入門―学びたい人のための最短コース (ブルーバックス) 作者: アイリーン・マグネロ,神永正博,ボリン.ファン・ルーン,井口耕二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/04/21メディア: 新書購入: 11人 クリック: 77回この商品を含むブログ (12件) を見る大変興味深いだったのでご紹介します。 書は講談社のブルーバックスの一冊で、統計学の知識を、その歴史に沿って説明している物です。タイトルにマンガとあるように、沢山のイラストが添えられています。 統計のというと、多くは理論的な部分や専門概念の簡潔な説明に終始しており、歴史的な流れに沿って説明するものは、あまり無いという印象があります。『統計学を拓いた異才たち』といった良書はありますが、類書はほとんど読んだ事がありません。 書は、タイトルに入門を冠していて、副題が学びたい人のための最短コースとなっています

    【書評】コンパクトな統計学史:『マンガ 統計学入門―学びたい人のための最短コース』 - Interdisciplinary
  • 『女性のいない世界』 消えた1億6300万人 - HONZ

    この数字は、100人の女子に対してどれだけの男子が生まれるかを表した出生性比と呼ばれる数値である。この数字が何を意味するかは、自然な状態での出生性比105と比べる必要がある。上記の中国の出生性比113と自然な出生性比の差はたった8であり、大きな問題ではないと思えるかもしれない。しかし、この比の差を具体的な人数に置き換えると問題の大きさが見えてくる。 書で紹介されているパリ人口開発研究所のクリストフ・ギルモトによる2005年の研究によると、もしこの過去数十年間自然な性比が維持されていたとしたら、アジア大陸だけでもあと1億6300万人の女性がいた計算になる。つまり、現在のアジアには自然な状態と比べて、日の総人口よりも多い数の女性が不足しているということだ。 書は1992年にギルモトが人口統計学の短期調査プロジェクトでインドを訪ねるところから始まる。現地の孤児を引き取る養護施設で働くフラン

    『女性のいない世界』 消えた1億6300万人 - HONZ
  • 島本和彦すぎるアドラー本『嫌われる勇気』

    面白かった。むっちゃ笑いながら、いま人気急上昇中の「アドラー心理学」の真髄をガッツリと学ばせていただきました。 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著) [Amazonで詳細を見る] 『嫌われる勇気』は、「青年」と「哲学者」の対話形式で進むアドラーです。『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の古賀史健さんの新作ですので、読みやすさは保証つき。 この、とにかく「青年」がすごいのです。 青年は、ある日突然、やたら激しい苦悩を抱えて、哲学者のもとを訪れます。 青年がなぜそんなに悩んでいるのかは不明。解説は一切なし。とにかく青年が「熱い」ということと「ものすごく悩んでいる」ということ、そして悩んでいるくせに学ぶ気はなく、逆に哲学者を「完膚なきまでに論破」しようとしていることという状況設定だけがあります。 つまり、島和彦なのです。意味なく、む

    島本和彦すぎるアドラー本『嫌われる勇気』
  • 日本人的にヘゲモニー国家イギリスを見つめなおす本

    1995年に出版された「イギリス 繁栄のあとさき」が、3月に文庫にされていた。英国史が専門の歴史家によるエッセイ集で、生産、商業、金融で圧倒的な力を持つヘゲモニー国家としての英国を歴史研究の紹介を通して論じつつ、日の状況を簡単に論じている。問題を感じる議論も無いわけではないのだが、18世紀から19世紀の英国の社会事情が色々と紹介されており読み物として面白いし、19年経った今でも論じられている日の社会問題が残っているところも興味深い。また、21のエッセイが収録されているが、それぞれの完結度が高いので読みやすい。 日の問題はさておき、英国史における議論は次の一点が中心になる。つまり、産業革命が英国をヘゲモニー国家にしたのではなく、植民地支配による商業資の発達が英国をヘゲモニー国家にして産業革命を可能したと言うものだ。英国がフランスとの戦争に勝ち続けられたのは、工業力の差があったからでは

    日本人的にヘゲモニー国家イギリスを見つめなおす本
  • コンテナの物語を読んで、SIerの行く末を想った - 勘と経験と読経

    読書メモ。「コンテナ物語」はコンテナ輸送(コンテナリゼーション)が現代社会に与えたインパクトについて書かれただ。内容自体とても面白いのだが、読みながら別のことを考えていた。 書はビルゲイツが2013年のとしてピックアップしている ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の」 - GIGAZINE なお私はKindle版をセールで購入(セールは既に終了)。 コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった 作者: マルク・レビンソン,村井章子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/01/18メディア: 単行購入: 6人 クリック: 72回この商品を含むブログ (40件) を見る コンテナの物語 書で紹介されるコンテナを軸にした輸送革命の流れはだいたいこんな感じだ。 コンテナが発明される 標準化されるが、さほど普及せず 効率化は達成されたが、運送コスト大きく

    コンテナの物語を読んで、SIerの行く末を想った - 勘と経験と読経
  • 面白かった本2013 - phaの日記

    覚えてる分をざっと。読んだものはpha棚 (pha) - ブクログに登録したりしてます。 新装版 洗脳の楽園 作者: 米和広 出版社/メーカー: 情報センター出版局 発売日: 2007/09/01 メディア: 単行 購入: 3人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (10件) を見る ヤマギシズムについてのお金とか要らないみんなで協力しあう楽園、みたいなコミューンを一時的にも作り上げたのはすごいと思う。子どもへの強要とかでボロが出たわけだけど。 家族を容れるハコ 家族を超えるハコ 作者: 上野千鶴子 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2002/11 メディア: 単行 購入: 2人 クリック: 22回 この商品を含むブログ (23件) を見る 建築家との対談が半分くらい。家族構成と家の構造(2LDKとか)は相関するというような話。 家族なんていう実際問題いろんな家族に

    面白かった本2013 - phaの日記
  • 『北からの世界史』北方世界に歴史があったんだ - HONZ

    まるで歴史ドキュメンタリー番組を観ていたかのような読後感を味わえる一冊だ。 書は、歴史上、ロシア・カナダ・アメリカなど極寒の世界に人々が「何」を求めて遠征していき、「何」を売り買いすることで世界経済と繋がっていったのかをおう歴史書である。歴史書といってももちろん学校で習うような事実の羅列とは全く違う。書を読んでいると、学校で暗記した地域や年代別の世界史が一つの視点を主軸として繋がりあっていくような感覚を味わえる、そんな一冊だ。 著者は、歴史を事実の羅列ではなく、面白い視点から分かりやすく解説することで定評のある宮崎正勝氏。著者の歴史観の特徴は、「文明」「民族」「国家」など従来学校で教えられる切り口ではなく、世界の社会経済がどのように繋がっていたかという「ネットワーク」という切り口から歴史を捉える点である。書でも、世界史の周縁の北方世界が、イスラムやヨーロッパなど世界史の中心となる文明

    『北からの世界史』北方世界に歴史があったんだ - HONZ
  • 『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず - HONZ

    書店でタイトルを眺めつつ、犯罪の予測といえば、フィリップ・K・ディックの「少数報告」だよな、などと思いながら手に取ると、まえがき1ページ目でそのことに触れており、一気に著者に対する親近感が増してそのまま購入してしまった。 もちろん、書には予知能力者のプレコグたちを使った犯罪予知法が書かれているわけではない。著者は、日人として初めて英ケンブリッジ大学で犯罪機会論を学び、帰国後は「地域安全マップ」を提唱した人物だ。その文章は明晰で論理的、そのうえリズムがあって心地よく読め、著者の頭の良さがよくわかる。 地域安全マップ作りは、地域の人々が実際に町を歩いて犯罪が起こりそうな場所をマッピングしてゆくことだ。著者が定義する犯罪が起こりやすい場所とは「入りやすく、見えにくい場所」。実にシンプルだが、書を読めば読むほど非常に腑に落ちる定義である。自分の住む町を歩き、「入りやすく、見えにくい場所」を探

    『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず - HONZ
  •  「日常の疑問を経済学で考える」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    日常の疑問を経済学で考える 作者: ロバート・H.フランク,Robert H. Frank,月沢李歌子出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2008/02/01メディア: 単行購入: 3人 クリック: 73回この商品を含むブログ (18件) を見る 感情の進化適応的な機能についてコミットメントから考察した名著「オデッセウスの鎖」の著者,経済学者のロバート・フランクの新刊である.フランクは進化心理学的な思考方法を取り入れたをほかにも何冊か出していて,書もとりあえず著者だけ見て購入した次第である. 結論から言うと書は一般人向け,学生向けの経済学の紹介書になっていて,進化心理学的な切り口はところどころに現れているだけだ.経済学書としては,大変わかりやすい日常の疑問から,その裏にある限界コストと限界効用などの経済学的なトピックを考えていこうという取り組みで,ヒトは物語形式の知識が

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  • 職業プログラマーなら必ず読むべき「Code Complete」 - $shibayu36->blog;

    Code Completeの上下巻を読んだ。 CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して 作者:スティーブ マコネル日経BPAmazonCODE COMPLETE 第2版 下 完全なプログラミングを目指して 作者:スティーブ マコネル日経BPAmazon 読んだ感想としては、職業プログラマーなら必ず読むべきだなと感じた。 このではソフトウェアコンストラクションに関する話題を扱っている。このの中でソフトウェアコンストラクションとは、詳細設計、コーディングやデバッグ、単体テストなどなど、要求定義が終わった後、ソフトウェア製作に必要なプロセス全般のことを指している。 主なテーマとして、どうやってソフトウェアにおける複雑さを減らすことが出来るのか、について書かれている。そのテーマをいろいろな観点から説明されている。例えば以下の様な観点がある。 上流工程の欠陥による

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  • 『ヨーロッパ史における戦争』とか - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

    1 日史と世界史の両方を高校で履修できるか片方しか履修できないかは、年代によってバランバランで、私は高校時代、片方しか履修できなかった。この時日史と世界史のどっちを履修しようか相当悩んだんだが、当時まだ若かりし我が老母は「日史が判らなければ世界史が判るはずがない」とえらく説得力のある言葉を吐いたが、私は世界史を選択した。世界史を選択したことはものすごい正解だった。その後、大学で歴史学の方へ進まなかったのは後悔だが。 世界史の基を学習したい、という方にはマクニール『世界史』をお勧めする。ハードカバーだと一冊。たしかシカゴ大学の世界史の教科書。 世界史 上 (中公文庫 マ 10-3) 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,増田義郎,佐々木昭夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/01/25メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 1,

    『ヨーロッパ史における戦争』とか - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記
    kaionji
    kaionji 2013/03/07
    戦争の世界史たけえ
  • 『階級「断絶」社会アメリカ』 アメリカン・プロジェクトの終焉 - HONZ

    このは、2012年1月に発売された『Coming Apart』の邦訳である。書は、発売直後からニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリートジャーナルなどの高級紙に軒並み書評が掲載され、全米で大きな反響を集めた。ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンがブログで批判的コメントをする一方、『マネーの進化史』のニーアル・ファーガソンは肯定的意見を寄稿するなど、その反響は賛否の入り混じったものだった。米国の二極化に警鐘を鳴らす書を巡って、米国言論界は二分されたのである。 著者は保守系シンクタンクAEIの研究員チャールズ・マレーである。彼は1994年に共著者として、人種によるIQの差異を指摘する『Bell Curve』を出版し、これまた大論争を巻き起こした経験を持つ。そんなマレーの最新作である書の重点は、アメリカがどれほど断絶してしまったのかを明らかにすることに置かれている。 書が大きな論争

    『階級「断絶」社会アメリカ』 アメリカン・プロジェクトの終焉 - HONZ
  • 書評:仕事でJavaScriptを覚える人に「プロになるためのJavaScript入門」

    プログラミング言語の経験がある人がJavaScriptを覚えようとすると、「あれ? なんか違うぞ?」という経験を何度もするのではないでしょうか。どうも配列は自分の知ってる配列っぽくないし、オブジェクトもオブジェクトっぽくない。 書「プロになるためのJavaScript入門」はそうした、ある程度のプログラミング知識を持つ人のためのJavaScript入門書としてとてもよく書かれています。以下の一文は、JavaScriptの文法を解説した第2章の冒頭に書かれたものです。 JavaScriptの文法要素は単純に見えて、深く掘り下げていくとまったく違う姿を現すということがよくあります。たとえば、スコープの実体はオブジェクトですし、メソッドは関数です。また、関数は突き詰めるとオブジェクトで、さらにクロージャという側面も持っています。このように、JavaScriptの文法の学習とは「Aだと思った?

    書評:仕事でJavaScriptを覚える人に「プロになるためのJavaScript入門」
  •  「天敵なんてこわくない」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    天敵なんてこわくない―虫たちの生き残り戦略 作者: 西田隆義出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2008/06/01メディア: 単行購入: 4人 クリック: 51回この商品を含むブログ (4件) を見る 書は昆虫生態学者の西田隆義による自らの研究物語だ.2008年の出版.八坂書房という小さめの出版会社から出されていたためか当時見逃していたのだが,昨年出版された共立出版の「行動生態学」の捕回避の章で紹介されていたので読んでみた. 著者の最初の問題意識は個体群生態学的なもので,ある生物種の個体数変動を天敵が抑えるという現象はなぜ生じるのかというところから始まる. 数理的にはロトカ=ヴォルテラ方程式のような形で天敵は被者の爆発的増加を抑えることができるし,有名なカナダのタイガにおけるオオヤマネコとカワリウサギのサイクル的な増減の報告もあるのだが,実はこのリサーチはその後の追跡では怪しい

     「天敵なんてこわくない」 - shorebird 進化心理学中心の書評など