36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第8回公判が20日、京都地裁であり、遺族による被告人質問が初めて行われた。質問に立った寺脇(池田)晶子(しょうこ)さん=当時(44)=の夫(50)は、閉廷後の取材に「青葉被告の言葉は、反抗期の子どものように幼稚だった。救われるものはなく、余計につらくなった」と心情を明かした。 ■「あなたに聞きたいことがある」 20日正午、法廷に硬い声が響いた。検察官席に立った夫は深く息をはき、目の前の青葉被告に直接、語りかけた。「私は寺脇晶子の夫です。あなたに聞きたいことがある」 最初に質問したのは、被告の人間関係だった。アルバイトや派遣社員を転々とし、刑務所を出所してから事件を起こすまで「親族や友人、人生を相談できる相手はいたのか」。人生につまずいた時、周囲の支えが