近くに短期大学や住宅地があるため、三陸鉄道リアス線の開業時に新設された八木沢・宮古短大駅(福田涼太郎撮影) 東日本大震災で被災した岩手県の第三セクター三陸鉄道(宮古市)は26日、令和5年度決算の経常損益が約7億2千万円と過去最大の赤字になる見通しを発表した。観光利用の持ち直しで運賃収入は増加傾向の一方、設備修繕費や燃料費高騰が負担となった。 4~8月期収支によると、運賃収入は前年同期比17・5%増の約1億6千万円。人の流れの回復に加え、地元が舞台のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送で観光客が増えたとみられる。 ただ老朽化した車両の修繕費などがかさみ、経常費用は前年同期比4・2%増の約3億8千万円となった。人件費も上がる見通し。 石川義晃社長は記者会見で「魅力的な企画列車の運行や情報発信による観光客の誘致、物産部門の増収に取り組む」と語った。