不思議なオペラを観(み)た。観終わってから2週間ほど経(た)ったのだが、いまだにあれは一体何だったのだろうと気になってしかたがない。日生劇場で鈴木敬介が演出した、ヤナーチェクの『マクロプロス家の事』のことである。 長年にわたって遺産相続をめぐり反目しあっているふたつの家がある。そこに恐ろしく魅力的な美女が出現し、実は自分こそは紛争の原因となった大先祖で、年齢は327歳だと宣言する。父親の薬物実験のおかげで、彼女は図らずも不老不死の身となり、転々と名前と男たちを変えながら生き延びてきたのだ。彼女は不死の妙薬の処方箋(せん)を苦労して探し出すが、それを新しく託された少女は、紙片をこともなげに燃やしてしまう。傍らにいた男たちは、「僕たちは馬鹿だからとっても幸せでーす」と合唱する。一体何だ、これは? 原作はチェコのチャペック。「ロボット」という言葉を考案したり、山椒魚(さんしょううお)が人類に宣戦
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