前世紀はじめに活躍した、男性バレエダンサー、ニジンスキーの日記、"The diary of Vaslav Nijinsky"、を読みました。 精神分裂病(schizophrenia)の症状があらわになりはじめた、1919年の1月から3月のかけての6週間に自らの手で綴られた手記で、その時すでにニジンスキーのバレエ生命は絶たれていました。 ニジンスキーの夫人だったラモラが、1936年にこの日記を出版しましたが、彼女を批判している箇所や、私的都合で半分近くが省略、あるいは書き換えられていたので、ニジンスキーのオリジナルのものとはいえなかったといいます。 わたしが読んだこの本は、1999年に再度、オリジナルのロシア語から英語に訳された、省略、いじりのない、完全版と謳われています。 (上)1908年。ニジンスキー18歳。 1890年、ロシアに生まれたニジンスキーは、バレエ界の類まれなスターとして、歴
第一部は「波乗りとは何か?」がテーマだったが、これから始まる第二部は「サーファーとは誰か?」がテーマであり、エクスタシーを感じる主体が問題になる。本稿はまず、それが「アウトサイダーである」と仮定して、その定義がら考えていく。最初のテキストはコリン・ウイルソンの『アウトサイダー』(1956)だが、筆者の所持本は福田恒存、中村保男訳による紀伊国屋書店版で、1972年1月31日発行の第35刷である。 「わたしが欲しいのは一人の女ではない。すべての女が欲しいのだ。」・・・アンリ・バルビュスの小説『地獄』(1932)の主人公は、<無名の局外者>である。「わたしは何も所有せず、何ものにも値しない。それでもなお、なんらかの償いをわたしは要求する。」・・・写真はアーサー・ペンの『ボニーとクライド』(1967)をジーン・フェルドマンが模倣したファンタジーである。 サルトルの小説(『嘔吐』=1949刊)の
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