首席指揮者を務めるフランス国立リヨン歌劇場管弦楽団と来日公演のリハーサルを行う大野和士=30日、東京都渋谷区(撮影・三好英輔) 日本人指揮者として世界の第一線で最もめざましい活躍を展開している大野和士が、首席指揮者を務めるフランス国立リヨン歌劇場管弦楽団とともに来日し、11月1日から11日まで全国6都市で9公演の日本ツアーを展開する。10月29日、大野は東京・渋谷のオーチャードホールに姿を現し、11月1、3の両日に同ホールで上演するマスネのオペラ「ウェルテル」のリハーサルを行った。 オペラ「ウェルテル」はゲーテの名作「若きウェルテルの悩み」に材をとったマスネの代表作。大法官の娘で婚約者がいるシャルロットに一目ぼれした外交官見習いで詩人のウェルテルは、大法官の娘で婚約者がいるシャルロットに一目ぼれ。苦悩の果てにシャルロットの夫から受け取ったピストルで自ら命を断つ物語。シャルロットの父が子供た
2008年8月、大野和士がグラインドボーン音楽祭で指揮をした、 フンパーディングのオペラ《ヘンゼルとグレーテル》のDVDを手に入れた。 (DECCA UCBD1095) このグラインドボーンのオペラ、音楽的にはメルヘン的雰囲気がたっぷり、 一方の舞台演出は、現代文明に警告を発するというメッセージがあるようだ。 両者がどうも、かみ合っていない印象であった。 イントロから大野和士が登場してくる。 精妙な雰囲気すら感じる序曲から始まって、大野の指揮は好調。 歌手とのバランスも、オケが大きく鳴りすぎることもない。 第2幕あたり、静かな響き。ローエングリーンを思い出させる。 舞台はダンボール・ハウスから始まる。思いっきりリアリスティックなセット。 元気よく子供たちがはね回る。 グレーテル役はぴちぴちした歌・演技ともに魅力的。 魔女は男声テノール。これがなかなか効果的だったと思う。 威圧的な歌唱と、変
稀代の音楽家は今、世界中の喝采を浴びている。名立たる欧州歌劇場の音楽監督を歴任し、今年9月にフランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者に就任した。仏国立歌劇場の指揮者を日本人が務めるのは、歴史上はじめてのことである。 なぜオペラがしっくりくるのか。「人間が文字や文法を知らない時代に、音楽はあった。歌である。感情のわき上がりに思わず声を出した。それは人間としての証明でもある。あるとき、声が物語、せりふとして具体的な意味を帯びたときに放出されるエネルギーに、心を鷲掴みされる経験をした。これは何か、突き詰めたいと思った」。 しかし、指揮者は声を出すことも、楽器を奏でることもない、無音の表現者である。「あたかも指揮をされていないような印象を弾き手が抱いている状況をつくり出すことが指揮者の役割。あちらに行きましょうと弾き手一人ひとりを誘導し、それぞれが自らそこに向かった結果、みんな同じ場所に集まってい
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