「書く」ことは、「聴く」こと。 次号「考える人」2007年夏号の特集は、「続・クラシック音楽と本さえあれば」です。「クラシック音楽と本さえあれば」といったとき、真っ先に思い浮かぶ人のひとりが吉田秀和さんでした。 じつは、しばらく前から編集部では(なんのご了解もなしに勝手にということですが)、吉田秀和さんにお話をうかがいたいという願いをもっていました。 1946年に音楽誌でモーツァルトについての文章を書きはじめて以来、60年以上にわたってつづけてこられた批評の仕事についてはもちろん、高校時代に中原中也からフランス語を習ったこと、小林秀雄、大岡昇平との交遊、小澤征爾や中村紘子がその一期生だった「子供のための音楽教室」の創設(1948年)に戦後まもなくから尽力したことなどをめぐって、まだまだ活字化されていない興味深いお話もたくさんあるのではないか、と考えたからです。 聞き手は、堀江敏幸さ
逗子のラ・マーレ・ド・茶屋にて、 吉田秀和さんにお目にかかる。 朝日新聞での「音楽展望」のお仕事は、 もう30年にわたって愛読している。 1913年9月23日生まれの 吉田秀和さん。 最近の『永遠の故郷ー夜』、『永遠の故郷ー薄明』 のお仕事も本当に素晴らしく、 そのお仕事とお人柄を敬慕する 気持ちは深い。 大学生の頃、東京文化会館での オペラや、NHKホールでの シンフォニーの際、時折 この大文化人の姿をお見かけした。 あの頃、私の心には、吉田秀和さんが どれほど輝かしい存在として 映っていたことだろう。 圧倒的な学識。そして、繊細な感性。 お目にかかる前から、今日は胸を借りるしか ないと思っていた。 現在95歳の吉田秀和さんは驚くほど お元気で、言葉もしっかりしていて、 頭の回転も速く、ウィットにも富み、 そのお姿自体が一つの奇跡としか 思えないほどであった。 伺いたいことはあまりにもあ
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