イスラエルに武器を輸出し、国連の支援機関への資金拠出を停止しているのはジェノサイド(集団虐殺)条約の違反だとして、ドイツの責任を問う訴訟を、中米ニカラグアが国連の国際司法裁判所(ICJ)で起こした。この画期的な裁判の審理が8日、オランダ・ハーグの同裁判所で始まった。 ニカラグアはこの日、ドイツによるイスラエルへの武器輸出の停止と、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開を命じるようICJに求めた。
「収容所から解放されたとき、父の体重は32キロでした」 両親がナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺「ホロコースト」を生き抜いたという、77歳のユダヤ人男性は、50年以上にわたってパレスチナの人たちのために声を上げ続けています。 その原点は建国まもないイスラエルで10歳の時に経験した、ある出来事にありました。 (ロンドン支局記者 松崎 浩子) アウシュビッツから生還した両親 イスラエル出身のユダヤ人、ハイム・ブレシートさん(77)。 イギリスでパレスチナ人との連帯を掲げるユダヤ人団体の共同代表を務めています。 ハイム・ブレシートさん ブレシートさんの両親は、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺「ホロコースト」の生き残りでした。 600万人を超えるユダヤ人が組織的に殺害され、世界史上、例のない大虐殺とされるホロコースト。ポーランドに住んでいたブレシートさんの両親も1944年、アウシュビッツ
国際社会での批判が高まっているイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃。しかし、欧米ではイスラエル批判に「反ユダヤ主義」のレッテル張りをしてバッシングする動きもある。世界の若者達に強い影響力を持つ、環境活動家グレタ・トゥンベリさんも、ガザ攻撃に明確に反対しているため、「反ユダヤ主義」のレッテルを張られている。 〇グレタさんがパレスチナの人々への連帯を呼びかける 今月12日、オランダのアムステルダムで行われた温暖化防止を訴える大規模な集会で、パレスチナ人とアフガニスタン人の女性達と共に壇上に立ったグレタさんは「私たちは抑圧されている人々や自由と正義のために戦っている人々の声に耳を傾けなければなりません。国際的な連帯なしに気候正義はあり得ません」と発言。これに憤った男がステージに乱入し、グレタさんからマイクを奪おうとしたが、すぐに止められ、グレタさんは怯まずスピーチを続けた。 グレタさん
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「ロシア政策をめぐり自己批判すべきだ」 こう批判されているのは、ドイツのメルケル前首相です。 16年間首相を務め「ヨーロッパの事実上の決定権者」などと、その手腕を高く評価されてきたはずのメルケル氏。 ところが、最近、国がその功績をたたえる勲章を贈ったことが波紋を広げました。 メルケル氏はなぜ、批判にさらされているのか。ドイツで、何が起きているのでしょうか。 (ベルリン支局長 田中顕一) メルケル前首相 勲章授与に批判? ことし4月中旬。メルケル前首相にドイツの首相経験者としては最高の栄誉とされる「特装大十字賞」が授与されました。 この賞を授賞したのは第2次世界大戦後の西ドイツの初代首相アデナウアー氏と、東西ドイツ統一時の首相コール氏の2人だけ。 「特装大十字賞」を授与されるメルケル前首相(右から2番目・2023年4月) ところがメルケル氏にこの勲章が授与されたことをドイツメディアは軒並み批
TOP > 記事 > ドイツ「緑の党」左派を変えたウクライナ視察――元反戦政党はなぜプーチンとの「交渉による解決」を撤回したか(前篇) 連立与党でウクライナへの重火器供与を最も強く求めたのは、軍備増強に反対してきた「緑の党」だ。大転換の背景には、プーチンが「力」や「軍事的な強さ」だけを理解する指導者だと党内左派が強く意識するに至った経緯がある。 今年4月20日、ドイツ連邦議会で緑の党のアントン・ホーフライター議員が演説した。肩まで届く長髪にあごひげをたくわえ、議員らしからぬ風貌。堂々たる体躯のホーフライター氏は、欧州問題担当委員会の委員長を務めている。彼は、「ウクライナ人たちは自国だけではなく、欧州全体も守るために戦っている。我々ドイツ人は、ウクライナに対して戦車など重火器を直接送るべきだ」と主張した。 ホーフライター委員長は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、毎日嘘ばかりついている
The story is old and takes many forms. A fairy-tale version, recorded two centuries ago by the Brothers Grimm, tells of a certain Karl Katz, a goatherd in the Harz Mountains of central Germany. One night a straying goat leads Katz deep into a cave. Tempted by strange men, he drinks a potion and falls asleep. On waking he finds that not hours, but years have passed. The world around him has changed
ロシアからドイツに天然ガスを送る主要なパイプライン「ノルドストリーム」は、11日から定期的な点検を理由に供給を停止しました。 ロシア側が経済制裁を科すドイツに揺さぶりをかけるため、点検終了後も供給を再開しないのではないかとの懸念が広がっています。 ノルドストリームはロシアからバルト海の海底を通ってドイツにつながる現在、ヨーロッパ最大規模の天然ガスパイプラインです。 このパイプラインを運営するロシアの国営ガス会社ガスプロムは、11日から定期的な点検を理由にロシアからドイツに向けた天然ガスの供給を停止しました。 点検は今月21日までの予定だとしています。 このパイプラインを巡っては、先月、ロシアからの供給量がおよそ60%削減されました。 ドイツ政府は暖房需要が増える冬に向けて十分な量を備蓄できないとして、国民や企業にガスの節約を求める異例の事態となっています。 こうしたことから、今回の定期点検
Published 2022/06/20 00:00 (JST) Updated 2022/06/20 00:17 (JST) 【ベルリン共同】ドイツのハーベック経済・気候保護相は19日、ロシアからの天然ガス輸送量の大幅な減少を巡って声明を発表し、ガス消費量を減らすため、石炭火力発電の利用を増やすなどの緊急措置を講じると明らかにした。「安定供給はまだ保証されているが、事態は深刻だ」と説明した。 ロシア政府系ガスプロムは15日、海底パイプライン「ノルドストリーム」を通してドイツに送るガス輸送量が16日から通常の約6割減になると表明。ドイツ政府によると実際に6割減り、ドイツを経由してガス供給を受けるフランスなど隣国にも影響が出ている。
‘I don’t blame myself’: Merkel defends legacy on Russia and Ukraine Former German Chancellor claims Ukraine might have faced a full-blown war with Russia sooner had she not intervened with controversial decisions. Former German Chancellor Angela Merkel arrives on stage for her first public interview since stepping down, at the Berliner Ensemble theatre in Berlin | John Macdougall/AFP via Getty Ima
ポーランドの首都ワルシャワで記者会見するドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領(2022年4月12日撮影)。(c)JANEK SKARZYNSKI / AFP 【4月13日 AFP】ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領は12日、他の欧州連合(EU)加盟国首脳と共にウクライナ訪問を提案したものの、ウクライナ側から拒否されたことを明らかにした。 元外相のシュタインマイヤー氏は、過去にロシアに友好的な姿勢を取ってきたことで国内外から批判が集中。最近になり、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対する親善的な姿勢は間違いだったと認めていた。 ポーランドの首都ワルシャワを訪問した同氏は記者会見で、欧州が団結してウクライナとの連帯を示すため、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアの大統領と
ドイツのショルツ首相は22日、ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上、支配している地域の独立を一方的に承認したことを受けて、ロシア産の天然ガスをドイツに送る新たなパイプライン「ノルドストリーム2」の稼働に向けた手続きを停止する考えを示しました。 ショルツ首相は記者会見で、ウクライナ情勢について「状況は根本的に変わった」と指摘し、稼働に必要な手続きを停止するよう担当部局に指示したことでパイプラインは稼働できなくなると説明しました。 「ノルドストリーム2」をめぐってはウクライナ情勢が緊迫する中で、アメリカがロシアに対する制裁として稼働の停止を繰り返し強調し、ロシアとの経済的な結びつきの強いドイツの対応が問われていました。
ロシア依存のシステムがそのまんまな理由は? ウクライナ危機にしろ何にしろ、ロシアが仕掛ける西欧への各種の揺さぶり策に対して「いちおう西欧のボス」みたいな立場にいるドイツは、世間的な期待水準に比してどうにも消極的というか弱腰というか、煮え切らない態度を示すことが多いです。その理由については「天然ガスなどエネルギーの輸入元としてロシアを強く頼っているから」という根拠からさんざん説明されているのですが、 そもそも何故そこまでロシア依存のシステムになったのか? ていうか、急所を握られながら何故そのまんま状態でいるのか? という、より重要な点についてはろくな解説がないまま毎日が過ぎています。この状況はイマイチだよなということで、先日「JAM THE PLANET」(J-WAVE)というラジオ番組でいろいろ語ったのですが、語りきれるわけもないので今回この記事にまとめなおしてみようと思う所存です。 中東
――筆者のトム・ローガン氏は米ニュースサイト・週刊誌「ワシントン・エグザミナー」の国家安全保障担当ライター *** ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻に乗り出す気配が濃厚となる中、米同盟諸国の大半はウクライナ政府を支持し、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国の中で脆弱(ぜいじゃく)な国々を安心させる行動を見せている。しかしドイツは、ロシアの利益を欧米側の利益よりも優先するという、異なった対応を示している。 ドイツ政府の対応からは、厳しい現実が分かる。それは、米国と第2次大戦後の民主的国際秩序が、中国・ロシアという2つの最も重大な安全保障上の脅威に直面する中で、ドイツはもはや信頼できる同盟国ではなくなったということだ。ドイツにとっては、安価なガス、中国向け自動車輸出、そしてプーチン氏を怒らせないことが、民主主義に支えられた同盟諸国の結束よりも重要なように見える。ウクライナの
ドイツのメルケル首相(写真)は中国の李克強首相との電話会談で、中国が建設中の新しい石炭火力発電所を、少なくとも旧来の発電所より効率的にするよう促した。11月11日、ベルリンで撮影(2021年 ロイター/Hannibal Hanschke) [ベルリン 17日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は中国の李克強首相との電話会談で、中国が建設中の新しい石炭火力発電所を、少なくとも旧来の発電所より効率的にするよう促した。その上で、ドイツ企業は専門技術で後押しできるとの認識を示した。 メルケル氏は、国内での石炭火力の段階的廃止を表明する国が石炭を助成することはできないものの、温室効果ガス排出量の削減に役立つドイツからの輸出を禁止することはないと述べた。 新政権発足後に退任予定のメルケル氏は「中国首相との会談で、石炭火力発電所を建設するならば、少なくとも最新世代のものを建設した方が良いのではないかと
「ガースーです」と同じ日、メルケルは国民に厳しい感染対策が必要な理由を情熱的に説いた(12月9日、ベルリンの連邦議会で) Hannibal Hanschke-REUTERS <新型コロナ危機のなか珍しく情に訴えたメルケルは、ウイルスというファクトから目を背けることはできないと言い、菅は「こんにちは、ガースーです」と言った> ドイツのメルケル首相の演説が世界的に話題を呼んでいる。同国のコロナ死者数が過去最多の1日590人に上った12月9日。連邦議会において行われた演説で、首相はいつになく感情を剥き出しにして、クリスマスシーズンにおける市民の自粛を訴えた。例年のようなクリスマスを楽しめないことは「本当に心から残念なことではあるが」と首相は述べる。「1日590人の死は受け入れることができないというのが私の見解だ」。情熱的なスピーチは得意ではないとみられていたメルケルが、突如身振り手振りまで込めて
ドイツでは、景気対策として、日本の消費税にあたる「付加価値税」の税率の引き下げが始まりました。税金の負担を減らし、消費を後押しすることで、経済の回復につながるか注目されています。 ベルリン市内のスーパーの客の1人は「よいことだ。もっと引き下げてもいい」と話していましたが、別の客は「僅かな違いしかなく、ほとんど何ももたらさない」と話していました。 経済政策に関する調査などを行っているドイツ経済研究所によりますと、今回の措置で、1世帯当たりひと月で最大116ユーロ、日本円でおよそ1万4000円余り家計の負担が減るということです。 研究所のシュテファン・バッハ研究員は「付加価値税の税率引き下げは、比較的早く実行できて、短期的にも効果をもたらすもので、有効な選択肢だ」と話しています。 「付加価値税」の税率引き下げは6月、ドイツ政府がまとめた景気対策の柱で、減税の規模としては200億ユーロ、日本円で
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