大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
「アベノミクス」を推し進めた故・安倍晋三元首相は、国の予算を握り霞が関で「最強官庁」と呼ばれる財務省に対して、強い反発心を持っていたことで知られる。だが意外にも、なぜ安倍氏がそのような考えを抱いたのかについて、生前自ら語る機会は少なかった。 安倍氏を若手議員時代から取材してきたジャーナリストの戸坂弘毅氏が、知られざる貴重な肉声を明かす。 安倍氏が残した足跡 安倍氏が亡くなった日、米英ロ中印など世界各国の要人たちがこぞって安倍氏を悼み、首相在任中の功績を称賛するコメントを出した。インドやブラジルでは国として喪に服することを決めたとの報道にも接し、安倍氏が日本の政治家として前例がないほど、国際社会で存在感を発揮してきたことを再認識した。 安倍氏がその評価は別にしても「自由で開かれたインド太平洋構想」を打ち出し、日米豪印の「クワッド」枠組みを構築するなど、日本の首相としては稀有な「価値観外交」を
国の基幹統計「建設工事受注動態統計」を国土交通省が無断で書き換えて二重計上していた問題で、二重計上が行われた8年分の大半は、書き換え前の数値を復元するのが困難となっている。調査票自体が書き換えられた上、書き換え前の調査票の写しが残っていないとみられるためだ。調査票の電子データは保存されているが、書き換え後の調査票の数値だったという。二重計上が国内総生産(GDP)にどう影響したかを検証するのは困難な情勢だ。 国交省は長年にわたり、期限後にまとめて提出された調査票の数値について、調査票を書き換えて回収した当月分に合算するよう都道府県に指示。一方で2013年4月分から、未提出の建設業者の数値として推計値を計上していた。この結果、同一業者の受注額を二重計上する形となっていた。19年11月に会計検査院から不備を指摘されたことを契機に書き換えの指示を撤回。20年1月~21年3月分は、国交省職員自らが書
成果が乏しいまま、財政・金融政策のアクセルを踏み続けた結果、残ったのは借金の山である。 国と地方の借金残高は今年3月末で1100兆円を超え、政権発足時から200兆円近くも膨らんだ。20年度に財政を立て直す目標もあったが、首相は5年も延期した。膨大な「負の遺産」は将来世代に重い負担としてのしかかる。 500兆円もの国債を持つ日銀の信用も揺らぎかねない。国債の金利が上昇すると、巨額の損失を抱えるからだ。円が急落するなど経済が混乱する恐れがある。首相は消費増税を2回実施した。とはいえ先送りを繰り返したうえ、手厚い景気対策も行い、逆に借金を増やした。景気への配慮は必要だが、国民に痛みを求める以上、無駄な歳出を削り、財政立て直しの道筋を示すべきだった。"アベノミクスの終幕 重くのしかかる負の遺産" 毎日新聞 2020年8月31日 https://mainichi.jp/articles/202008
経済からみた場合、第二次安倍政権の最大のポイントは、わが国ではじめてデフレ、すなわち物価の継続的な下落を日本経済の最大の課題と規定し、その克服は経済政策によって実現可能であるとした点にあります。日本経済は1997年に非金融法人のISバランスが貯蓄過剰に転じ、1998年から物価の継続的な下落が始まりました。以来、日本の低成長の原因としてデフレに注目した政治家は何人かいましたが、雨乞い的にその解消を願う人、人口減少だからしかたない、技術革新で製造コストが削減されれば不可避だと諦める人はいても、処方箋を示して経済政策によって解決できるのだ、と明確に打ち出した政治家はいませんでした。 野党時代の安倍氏の提案した、建設国債の日銀買い取り、インフレ目標の設定と政府と中央銀行のアコードによるデフレ脱却について、当時の白川方明日銀総裁は「IMFが助言する際に『やってはいけないリストの最上位』」「悪影響が大
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就職氷河期世代の苦悩 「アベノミクスの恩恵など全くなかった。再チャレンジ? どんなにあがいても、蜘蛛の糸すら降りてはこない」と、就職氷河期世代の男性(45歳)が嘆く。 他の40代の男性も、「アベノミクスなんて、下々の俺ら庶民には関係ないことだ」と、冷めていた。株価上昇は官製相場にすぎないと、肌で感じていた非正規雇用労働者は決して少なくなかった。 前回の記事では、経済界を向いた保育政策が保育を壊したことを指摘したが、安倍晋三政権は雇用も壊したのだった。 安倍政権が取り組んだ主な雇用政策は、「女性活躍」「一億総活躍」「働き方改革」「就職氷河期世代支援」だった。しかし、この7年8ヵ月の間の雇用は労働現場を軽視し、企業にとって都合の良い施策ばかり。規制緩和で質が劣化した。 真っ先に取り組んだのが「女性活躍」だった。2014年10月、安倍前首相は「すべての女性が輝く社会づくり推進室」を設置した。 安
アベノミクスで「雇用と賃金」は結局どうなったのか、数字で徹底検証する 雇用は500万増、じつは実質賃金も… 突然の辞意表明以来、その安倍政権の各政策について数多くの評価・批判が行われている。なかでも安倍政権発足時、またはそれに先立つ自民党総裁選以来の看板であった経済政策についての評論は多い。 ある者はその功績を讃え、ある者はそれを誹(そし)る。このように、大いに評価が分かれる議論考えるにあたっては、その成果を数字から検討するとよいだろう。ここでは雇用・賃金と当初のアベノミクスの「1本目の矢」である金融政策の関係を中心に考えていきたい。 なお、統計データ自体は客観的な事実であるが、その取捨選択が恣意性を免れることはない。ご存じの向きもあるだろうが、筆者はアベノミクス――そのなかでも大胆な金融政策の効果は大きく、今後もその強化や財政政策と連携してのさらなる発展が必要であると考えている点にご留意
水泡に帰すアベノミクス コロナ禍打撃、経済縮小―再生へ構造改革急務 2020年08月23日07時14分 2012年末に発足した第2次安倍政権は、金融緩和と財政出動、成長戦略の「3本の矢」による経済政策「アベノミクス」を推進してきた。円安による企業業績改善や株高といった成果を挙げたが、公約に掲げたデフレ脱却はいまだ実現できていない。足元では新型コロナウイルスの影響で経済が急激に縮小。看板政策の果実は水泡に帰しつつあり、経済再生には構造改革が急務だ。 【特集】支離滅裂な絵空事の「成長実現シナリオ」でさらに悪化する「戦後最悪GDP落ち込み」 民主党(当時)政権下では、歴史的な水準まで円高が進み、日経平均株価は安倍政権発足直前まで1万円割れが続いた。デフレの長期化で閉塞(へいそく)感が強まっていた。 安倍晋三首相は就任直後に「強い経済を取り戻す」と宣言し、アベノミクスを始動させた。13年に日銀は市
2月20日、西村康稔経済財政相は20日、月例経済報告に関する関係閣僚会議後の記者会見で、景気が緩やかに回復しているとの政府公式見解を維持した背景について、雇用所得の改善などから基調的に判断していると説明し、「能天気に景気回復しているわけでない」と強調した。写真は都内で2019年9月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato) [東京 20日 ロイター] - 西村康稔経済財政相は20日、月例経済報告に関する関係閣僚会議後の記者会見で、景気が緩やかに回復しているとの政府公式見解を維持した背景について、雇用所得の改善などから基調的に判断していると説明し、「能天気に景気回復しているわけでない」と強調した。 2月の景気総括判断は「景気は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復している」とし、1月の微修正にとどめた。 17日に公表された2019年
日本の消費増税「大失敗」 三度目の正直ならず―米紙社説 2020年02月19日07時06分 【ニューヨーク時事】18日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「日本の消費税の大失敗」と題した社説を掲載した。昨年10月の消費税率引き上げをめぐり、1997年と2014年の過去2回の増税時と同様に経済に打撃を与えたとして、「三度目の正直とはならなかった」と皮肉った。 消費増税対策でも大幅減 ポイント還元、効果限定的―GDP 社説は、日本の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)が、増税前の駆け込み消費の反動などで急減したのは「当然だ」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大にも触れ、「増税のタイミングとしては最悪」「回復力が最も必要な時に経済を締め付けてしまった」と非難した。 その上で、安倍晋三首相が12年の第2次政権発足時に掲げた「経済活性化に向けた大規模な政策改革」を実行していないと主張。「
生活実感に近い名目GDPは前期比1.2%減、年率では4.9%減だった。名目でも5四半期ぶりのマイナス成長となった。 実質GDPの内訳は、内需が2.1%分の押し下げ効果、外需の寄与度は0.5%分のプラスだった。 項目別にみると、個人消費が実質2.9%減と5四半期ぶりのマイナスとなった。10月からの消費増税を背景に購買意欲が鈍り、個人消費を押し下げた。 設備投資は3.7%減と3四半期ぶりのマイナスだった。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。 住宅投資は2.7%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。公共投資は1.1%のプラスだった。 輸出は0.1%減だった。米中貿易摩擦のあおりを受けた世界経済の減速などを背景に2四半期連続でマイナスとなった。輸入は2.6%減と3四半期ぶりのマイナスだった。 総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてプラス1.3%だった。輸入品目の動きを除い
今月17日に発表される去年10月から12月までのGDP=国内総生産について、民間の調査会社の間では消費税率の引き上げで個人消費が落ち込み、大幅なマイナスに転落するという予測が多くなっています。 これが1年間続いた場合の年率に換算するとマイナス3.5%からマイナス4.4%となり、10社すべてがGDPが5期ぶりにマイナスに転落すると予測しました。 その理由として各社は、去年10月に消費税率が10%に引き上げられたあと家電製品や自動車などの販売が減少したことに加え台風や暖冬の影響もあって、GDPの半分以上を占める個人消費が落ち込んだことを挙げています。 また、世界経済の減速を背景に輸出も低迷したほか、企業の設備投資も減少したとしています。 ただ、いずれの予測も前回、6年前に消費税率が引き上げられた直後の3か月間のGDPと比べるとマイナス幅は小さくなるとしています。 一方、1月からの次の3か月間に
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週末に消費指標が公表され、事態は一層深刻であることが判明した。この分では、10-12月期の家計消費の前期比は-3%を超えるおそれがあり、そうなれば、前回消費増税時の2014年4-6月期を下回り、過去7年間のアベノミクスで最悪となる。この水準は、「悪夢のような」と腐される民主党政権の最終年より低い惨憺たるものだ。しかも、前回増税時より拙いのは、輸出の停滞で景気が失速しており、前回のような盛り返しが少ないまま、今後、L字型の推移が予想されることである。 ……… 11月の日銀・実質消費活動指数プラスは、前月比+2.7であったが、10月の-9.9からの戻りとしては非常に弱く、仮に、12月に、駆け込み前の4-6月期の水準まで、+2.4伸びたとしても、10-12月期の前期比は、-3.3にもなってしまう。増税による実質的な所得の低下を踏まえれば、4-6月期の水準まで伸びることには難しさがあるので、更なる
経団連の中西宏明会長は9日の定例記者会見で、内閣府が9日発表した2019年7~9月期の国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたことに関し、足元の国内経済について「現実の勢いはきわめて安定的に回復基調にある」と述べた。企業の設備投資が継続的に堅調で、デジタル化の波を受けた投資も進んでいると指摘した。 10月の消費増税から2カ月がたち、増税の影響に関して中西氏は「あるにはあったけれど、軽めだったとの声が多い」と語った。駆け込みの反動で減った売り上げがいつ回復するかは予測は難しいとした上で「消費の振興をどうしていくかの議論について、産業界も、あるいは政策的にも推し進めていくべきだ」との認識を示した。 〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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