アベノミクスで景気回復が叫ばれているものの、医療現場では貧困のためと思われる受診抑制が目立っている。とくに歯科では親の理解不足が加わり、子どもたちの歯が心配だ――有力な医療団体の1つ、全国保険医団体連合会(保団連)は2015年1月15日、東京で開いた今年初めてのマスコミ懇談会で訴えた。 検診で「要治療」なのに歯科に行かない 安田雅章・大阪府保険医協会副理事長は昨年12月から今年1月末まで実施予定中の調査の中間報告を明らかにした。「この半年間に何らかの理由での治療中断があったか」の質問に、医科・歯科1115診療所の78%(医科63%、歯科89%)が「あった」と答えた。医科は「薬が切れているはずなのに受診に来ない」(66%)、歯科は「痛みがとれたら受診に来ない」(71%) 状況だ。はっきりと「医療費負担を理由に検査や治療、薬を断られた」のも35%(医科45%、歯科28%)あった。医科で中断した