三重県伊賀市西山の特別養護老人ホーム「福寿園」が一部の入所者に対してナースコールを設置していなかったとして、市が高齢者虐待防止法に基づく虐待行為に当たると認定したことが21日、県などへの取材で分かった。 県などによると、園には高齢者ら約100人が入所。そのうち32人に対し、ナースコールが設置されていなかったり、ベッドから手の届かないところに置いたりしていた。厚生労働省の基準では原則として入所者1人ずつに設けるとしている。 外部から「あざがある人がいる」などと通報を受け、市が5月に立ち入り調査し判明、県に報告した。 園は「ナースコールを必ず設置しなければならないとの認識がなかった。コードが入所者の体に引っかからないようにするためでもあった」と釈明。現在では全員に設置した。
特別養護老人ホームなどの介護施設で平成27年度、職員による高齢者への虐待が確認されたのは408件と、26年度(300件)と比べ108件(36%)増え過去最多を更新したことが21日、厚生労働省の調べで分かった。増加は9年連続で、被害者が死亡した例も初めて起きた。家族や親族による高齢者虐待も前年度より237件増の1万5976件。厚労省は「通報件数も増えており、高齢者虐待の認識が深まったのではないか」としている。 調査は厚労省が高齢者虐待防止法に基づき、18年度から毎年実施している。 複数の入所者に身体拘束を行うなど1件で複数の被害者がいる事案があり、施設職員による虐待の被害者は778人。虐待の内容(複数回答)は「身体的虐待」が61・4%と最多で、「心理的虐待」27・6%、「介護放棄」12・9%。広島市の認知症グループホームで2階から転落した入所者に救命措置を行わななかった「介護放棄」による死亡
有料老人ホームで、入居者の部屋に鍵をかけるなどの虐待行為があったなどとして、東大阪市は21日、訪問介護員を派遣する「フロイデン」(東大阪市稲葉3丁目)の事業者指定を取り消すと発表した。取り消しは来年2月1日付。 市によると、今年6月に市職員が訪問した際、部屋の外に鍵が取り付けられ入居者が外に出られないようにしていた。監査の結果、複数の入居者に同様の行動制限をしていたことが分かった。また、訪問介護員が取得していた資格を偽り、実際より高い介護給付費を請求していたことも分かった。不正請求額は2014年11月からの4カ月で計190万円にのぼるという。 市は加算額を含む約268万円の返還を求める方針。サービス提供責任者は「利用者の安全のためだった。虐待とは思わなかった」と話しているという。 <アピタル:ニュース・フォーカス・その他> http://www.asahi.com/apital/medic
広島県警佐伯署は6日、介護施設に入所している認知症の女性(82)に性的暴行を加えたとして準強姦の疑いで、この施設の経営者の男(76)=広島市佐伯区=を逮捕した。「何をやったのか分かりません」と容疑を否認している。 逮捕容疑は11月3日午後8時40分ごろ、佐伯区の介護施設の個室で、女性に性的暴行を加えた疑い。複数回にわたって女性に暴行を加えていたとみて調べている。 同署によると、8日に介護施設の従業員が警察に相談し発覚した。女性は要介護2の認定を受けており、2月から施設に入所していた。
三重県四日市市西大鐘(にしおおがね)町の特別養護老人ホーム「よっかいち諧朋苑(かいほうえん)」で、50代の女性職員が、80代の女性入所者のほおを平手で打ったり、枕で顔をたたいたりしていたことがわかった。諧朋苑は虐待行為があったと認め、職員を9月17日付で懲戒解雇処分にした。 諧朋苑や市介護・高齢福祉課によると、職員は7月~9月初旬、夜勤勤務中に1人部屋に入所するこの女性に対し、「早く死んだらいいのに」などと言いながらほおを平手で打ったり、枕で顔をたたいたりした。枕カバーで顔を覆ったこともあった。 女性は要介護度5で、寝たきりで意思疎通ができない。女性の息子が部屋にカメラを設置し、職員の行為を撮影。市などに相談し、虐待が発覚した。諧朋苑の内部調査に対し、職員は「魔が差した。ストレスが重なって、ついやってしまった」と話したという。 諧朋苑を運営する社会福祉法人「宏育会」理事の村中正敏施設長は「
介護ヘルパーらを対象にした労働組合のアンケートで、高齢者虐待を防止するための職員向け研修の内容が不十分、もしくは「どちらかといえば不十分」と感じている職員が計45.9%いることが5日までに分かった。調査は日本介護クラフトユニオン(東京)が6~7月にインターネットで実施し、ヘルパーや施設職員など約350人が回答。研修内容が十分だと答えた職員は「どちらかといえば」を含め54.1%だった。同ユニオ
介護殺人はなぜ起きるのか 7月3日日曜日、NHKスペシャル「“介護殺人”当事者たちの告白」が放送される。現在、2週間に1件の割合で起きているとされる介護殺人。この番組では、その当事者がなぜ殺意を抱いたのか、なぜ一線を越えてしまったのかなどが放送される。 他人事ではない介護殺人 ニュース番組などでは介護疲れなどを動機とした、介護している人が要介護者を殺すという殺人事件が日常的に報道されている。誰しも、いつ介護する立場になるともしれず、介護される立場になるかもしれない。介護殺人は他人事ではなくなっているのだ。 日本福祉大学の湯原悦子准教授は、1998年から2015年の18年間に起きた介護殺人を研究、加害者のうち男性が72.3%なのに対し、被害者のうち女性は74.3%だという。この統計からは、男性のほうが介護に追い詰められやすいことがわかり、それは生活面での悩みを誰かに相談するという習慣を持って
全日本病院協会(東京)が、厚生労働省作成の高齢者に関する「身体拘束ゼロへの手引き」の達成状況を調査した結果、回答があった約680の病院や介護施設の6割超が、「体や手足をひもで縛る」など原則禁止として例示された11行為のいずれかを行うことがあるとしたことが28日、分かった。このうち「一般病棟」は9割超が「ある」と回答、「介護施設」は3~4割だった。 同協会の木下毅常任理事は「身体拘束を受けることで気力が失われ、症状が悪化する恐れもある。施設の管理者が意識を高め、現場職員への指導を徹底する必要がある」と指摘した。
「こいつ、頭おかしいんちゃうんか」「だぼ!」-。隠しカメラには、介護ヘルパーによる20回以上の暴言が収録されていた。神戸市は6月2日、訪問介護の利用者の女性(70)への虐待行為があったとして、神戸市長田区の訪問介護事業所を15日から半年間、介護報酬請求の20%減額などの処分にすると発表した。しかし、この発表に事業所側が「虐待は事実誤認」と猛反発。女性の家族が設置した隠しカメラの映像についても「(利用者側に)陥れられた」と反論し、行政と事業所側による異例の〝水掛け論争〟に発展しているのだ。 隠しカメラを1カ月間設置 〝虐待〟の映像が録画されたのは平成27年9月15日午前だった。その年の夏、訪問介護を受けていた女性から「ヘルパーからきつい言葉を言われる」「たたかれる」などという訴えを聞いた家族が約1カ月間、長田区の女性宅に隠しカメラを設置していた。 映像は計約95分間で、問題の場面は約4分間。
経済的虐待は、特に高齢者に計り知れない打撃をもたらす。だが残念ながら、この虐待は「すぐ目の前で起こっているのに気づかない」ことがある。 生命保険大手メットライフの調査によると、米国では年間26億ドル(約2,832億円)以上、高齢者が経済的虐待で失っているという。その被害から守る活動をしているElder Financial Protection Networkは、さらに多い29億ドルと見積っている。 米紙ニューヨークタイムズの記事によれば、加害者は信頼できる友人のふりをして、退職者にとって分かりにくいお金の問題について“手助け”を行う。そして最終的には、貯金をごっそりとだまし取るのだ。同紙は「毎年、米国の高齢者500万人が、程度の差こそあれ、介護士や友人、家族や財務顧問に騙されている」と推定。高齢者が増えつづける中、ますます多くの退職者がそうした搾取に遭う可能性があるとしている。 またメット
石川県かほく市の特別養護老人ホーム「ことぶき園」で30代の男性介護福祉士が入所者5人を虐待したとして、県が施設を運営する社会福祉法人「芙蓉会」(同市)に、介護保険法に基づき改善勧告したことが11日、分かった。1月19日付。 県やかほく市によると、男性は平成23~25年、認知症を患った80~100歳代の男女5人に対して、胸ぐらをつかんで怒鳴ったり、悪天候の中、未明に施設外に連れ出したりした。 5人のうち、90代の女性が23年7月、他の入所者とトラブルになった際には、制止しようとして、肋骨にひびが入るけがを負わせた。 内部告発が26年にあり、芙蓉会が第三者委員会を設置し調査。報告を受けた県と市が聴き取りを実施した結果、いずれも虐待行為に当たると認定した。 同会は男性を減給処分とし介護職から外した。芙蓉会の大多健一理事長は「二度と虐待が起きないよう再発防止策を充実させる」と話した。
日本認知症グループホーム協会は、認知症の人への虐待防止に向けた宣言を発表した。虐待や介護放棄を一切否定することなどを柱としている。【松村秀士】 【関連記事】 介護施設での虐待の防止「家族がポイント」(2015/12/11) また起きてしまった…患者による殺傷事件(2015/12/26) 介護で生産性とクオリティーが大切な理由(2016/01/08) 2006年4月に施行された「高齢者に対する虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)では、65歳以上の高齢者を世話する家族や親族らによる高齢者への虐待について定義している。 具体的には、▽身体に外傷が生じる、または生じる恐れのある暴力を加える(身体的虐待)▽衰弱させるような著しい減食や長時間の放置などで養護を著しく怠る(介護や世話の放棄・放任)▽暴言や拒絶的な対応などで心理的外傷を与える(心理的虐待)▽わいせ
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