昨年9月初旬、名古屋国際センター(名古屋市中村区)の研修室に日本人と中国人計約10人が集まった。3人1組で取り組んだのは、実際の介護現場を想定した通訳の訓練だ。 「徘徊(はいかい)はありますか」。日本人の調査員役が、中国人の息子役に父親の様子を質問すると、通訳担当の日本人女性が中国語に訳す。 「没有(メイヨウ)」。息子役が答えると、通訳担当は「ありません」と日本語に訳して調査員役に伝えた。こうした訓練を約2カ月重ね、介護の現場で通訳に携わる。 介護通訳の養成に乗り出したのは、在日中国人を支援するNPO法人東海外国人生活サポートセンター(同市中川区)。きっかけは、代表の王栄(ワンロン)さん(52)の体験だった。中国残留日本人孤児だった父親(71)が帰国後、50代でパーキンソン病を発症。中国人の母(62)は介護サービスの利用手続き書類が読めず、王さんが通訳をして支えた。 3カ月を超える在留資格
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