保険証の通称表記について「公平な対応をしてほしい」と訴えるGID当事者の会社員=東京都で2017年2月12日、鈴木拓也撮影 心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)の人が保険証で通称名を表記することについて、自営業者が加入する国民健康保険で厚生労働省が「保険者の判断で可能」と認める一方、会社員が加入する社会保険で認めていないことが分かった。GIDの当事者は「保険の種類で通称表記の可否が異なるのはおかしい」と国に公平な対応を求めている。 神奈川県在住で戸籍上は男性だが女性として生活する40代の会社員は今月1日、京都市で自営業のGID当事者の通称表記が認められたことを知り、加入する健康保険組合を通じて同省関東信越厚生局に問い合わせたところ、「(通称表記は)認められない」と言われた。
心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)と診断され、戸籍上は男性だが女性として生活している京都市の50代の会社経営者について、京都府酒販国民健康保険組合が、保険証に通称の女性名を記載することを認めていたことが6日、分かった。支援団体によると、公的な身分証明書にもなる保険証で通称使用が認められるのは極めて珍しい。経営者は「私たちがストレスなく社会生活を営むうえで大きな前進」と話している。 経営者は2012年にGIDと診断され、14年春に性別適合手術を受けた。ホルモン治療を受け、化粧をするなど普段から女性として暮らしている。子どもがいるため、戸籍上の氏名は日常生活への影響を考えて変更していない。
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