北朝鮮による日本人拉致問題への理解を深めるため、政府が教育現場に配布している拉致被害者、横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=のドキュメンタリーアニメ「めぐみ」の活用が進んでいないという。大阪市立の小中学校では昨年度の視聴は2%にとどまり、全国平均でも8%に満たない。背景には授業時間の確保に悩む現場の事情があるとみられる。12日の米朝首脳会談で拉致問題が提起される見通しだが、拉致問題への風化を防ぐためには教育現場での啓発が課題となっている。 DVD配布 いまも続く問題だと知ること 「ただ親として、とらわれの身となっている娘を助けたいだけなのです」。今月5日、大阪市立泉尾北小学校(同市大正区)の体育館で開かれたアニメ「めぐみ」の鑑賞会。家族の苦悩や懸命な救出活動を描いた25分間の映像を、児童約300人が熱心に見入った。 道徳の授業の一環で、「めぐみ」の鑑賞会は初めての開催。スクリーンには