全市区町村が実施する小児医療費助成で、低所得地域の入院を減らす効果があることが、慶応大などの調査で分かった。これまで助成の効果は明確でなく、国は市町村国民健康保険への国庫負担分を減らし、自治体から反発が出ていた。治療費のかかる入院が減ることが初めて判明し、減額措置に影響を与える可能性もある。 調査は、慶応大大学院経営管理研究科の後藤励准教授(医療経済学)と京都大経済学研究科の大学院生、加藤弘陸さんが行った。 助成のうち、通院費の支給対象年齢が引き上げられた度合いを数値化。全国の977病院に2012、13年度に1390市区町村から入院した6~18歳の延べ36万6566人分の患者データと関連を分析した。さらに、市区町村の1人当たり課税対象所得が中央値(12年度275万5000円)より上の自治体を「高所得地域」、下を「低所得地域」と分けた。その結果、低所得地域は対象年齢の引き上げで全体的に入院が