視覚障害者の安全な歩行を追求していた全盲の研究者、田中一郎さんが26年前、東京都内の駅のホームから転落し、62歳で亡くなった。四半世紀を経た今、教え子4人が遺志を継いで研究や訓練を続けている。【野村房代】 見えなくても普通に生活できる社会を 1991年5月17日未明。国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の研究員だった田中さんは、同僚の退職パーティーの帰りに、自宅最寄りの京王井の頭線・浜田山駅(東京都杉並区)で線路に転落した。ホームに登ろうとしているところに電車が到着し、車両とホームの間に挟まれた。 生理学者として東京女子医大で神経細胞を研究していた田中さんは目の病気が悪化し、40歳の頃、全盲となった。当時の国立視覚障害者施設は、はり・きゅうマッサージの教育が中心で、1人で外出して歩くための訓練メニューはなかった。
視覚障害者の“就労”に関する事例&アイデア募集コンテスト「アイシー ワーキング アワード」を開催 プレスリリース発表元企業:公益社団法人ネクストビジョン 配信日時: 2016-04-27 18:00:00 ヒトiPS細胞を使った世界初の移植手術に成功した理化学研究所・高橋政代プロジェクトリーダーが提唱する、視覚障害者の社会価値の創出を目指すプロジェクト「アイシー運動」(運営:公益社団法人ネクストビジョン)では、このたび、見えない・見えにくい人の「就労」に関する事例やアイデアを募集し、表彰するコンテスト「アイシー ワーキング アワード」を創設した。 優秀な事例と評価された企業・団体、視覚障害のバリアバリューを生み出すアイデアは、11月頃に執り行う表彰イベントで発表する。応募は9月30日(金)まで公式HP( http://isee-movement.org/ )等で受け付けている。 「アイシー
常磐大教授らが無償配布 視覚に障害がある人が触って鑑賞できる「触察画」作りを研究している常磐大(水戸市)の中村正之コミュニティ振興学部教授とゼミ学生のグループが、葛飾北斎の浮世絵風景画「富嶽三十六景」の一つを複数のピースの凹凸画で表現した冊子(8ページ)を完成させた。無償配布した全国の視覚特別支援学校や点字図書館からは喜びの声が寄せられ、中村教授は「いずれは美術の教材にしてもらえるよう、完成度を高めていきたい」と意気込む。 中村教授は約20年前、友人から「全盲の親族に星空の写真を楽しませたい」と相談を受けたのをきっかけに触察画作りをスタート。2005年に、加熱すると線画が盛り上がる特殊な紙(熱膨張紙)と出合ったことで、研究は大きく前進した。
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