広島、長崎で被爆後、出国し、1975~95年に死亡した在外被爆者の遺族約150人が国に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は31日、賠償請求権は死後20年で消滅しているとの国の主張を認め、遺族の請求を棄却した。 絹川泰毅裁判長は、国が同じ条件の遺族175人と過去に和解している点を「不注意」としたものの、「著しく公平に反するとは言えない」などと述べた。遺族側は控訴を検討する。 原告は、韓国人被爆者31人の遺族。死亡から20~39年が経過した2010年以降に提訴していた。 国は「出国すると被爆者の地位を失う」とする1974年の旧厚生省通達が03年に廃止されるまで、健康管理手当(月約3万4000円)などを支給せず、07年の最高裁判決で違法と認定されると、提訴した在外被爆者や遺族との和解に応じてきた。