米国の10世帯のうち4世帯では、高齢になった家族の介護の役割を男性が担っている。それは主に、夫や兄弟、義理の息子たち、あるいは隣人の男性たちなどだ。米国ではこれまで、介護について語るときには必ずと言っていいほど、こうした男性たちの存在が無視されてきた。家族の介護をするのは、40歳を過ぎた娘たちだと思い込まれてきたためだ。 全米退職者協会(AARP)の公共政策研究所が今年3月に発表した報告書は、目を向けられてこなかった「介護者としての男性たち」についての調査結果をまとめたものだ。米国は今こそ、こうした男性たちに関する理解を深めるための努力を始めなくてはならない。 実際には、男性たちはかなり以前から、介護の役割を担ってきた。2015年に発表された調査報告書「米国における介護」に示されたデータからは、親戚や友人の介護者として男性が経験することは、女性たちが経験してきたこととほぼ同じであることが明