慣れない環境のもとではパニックなどを起こす不安があるとして空の旅を諦めていた発達障害のある子どもとその保護者に、旅客機の搭乗手続きなどを体験してもらう取り組みが国内では初めて成田空港で行われました。 今回の取り組みは、成田空港会社と全日空が発達障害のある人などで作る団体の呼びかけに応じて国内の空港では初めて行い、合わせて54人の子どもとその保護者が参加しました。 発達障害の子どもを安心させるためには、丁寧に説明しリラックスしてもらうことが大切だということで、搭乗前の保安検査では、航空会社のスタッフが「危険なものが紛れ込んでいないか見つける大切な作業です。驚かないで検査を受けてください」と伝えていました。 また、旅客機に乗ってもらう体験では客室乗務員がシートベルトのつけ方やトイレの使い方について説明したあと、実際に空港内で機体を走らせました。客室乗務員は優しく声をかけながら、子どもたちが揺れ
障害者差別解消法の施行後、初めての公立高校入学試験が今春行われたのを受け、毎日新聞が全国の教育委員会にアンケートした。国による一律の基準がないために、学習障害のある生徒への配慮は地域間で格差が生じたり、他の受験生との公平性をどう保つかで頭を悩ませたりしている現場の実態が浮かんだ。【金秀蓮、水戸健一】 昨年4月に同法が施行され、障害者が公立高を受験した際、障害による不利益が生じないように「別室受験」、問題文の「読み上げ」「ルビ振り」、「解答の代筆」などの申請があれば、学校側は「過度に負担にならない範囲内」で配慮することが義務付けられた。 毎日新聞は7月、法施行前も含め、学習障害のある生徒に対して、別室受験▽試験時間の延長▽問題文の漢字のルビ振りを実施したことがあるか--などを尋ね、大阪、鳥取、…
発達障害のある人が社会で活躍できるよう、札幌市が支援のポイントをまとめた「虎の巻」が、インターネットで話題を集めている。「職場」「暮らし」「学校」「子育て」など5編あり、イラストをふんだんに使っていることで「わかりやすい」と評価されている。 「職場で使える『虎の巻』」は、ベーカリーに勤める「虎夫」と事務職の「巻子」が登場する。虎夫さんは自閉症、巻子さんはアスペルガー症候群とそれぞれ診断されている。 虎夫さんは先輩から「『てきとう』にクリームを塗っといて」とパンを渡されるが、あいまいな言葉が苦手。どの程度塗っていいか分からずにたくさん塗ってしまい、先輩から「あんなに塗るなんて、普通に考えてありえない」と思われてしまう。 「虎の巻」は、こうした「ギャ…
北九州市は、発達障害の人や家族、支援者らにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で情報を発信する「市の発達障害情報フェイスブック(FB)」を開設した。パソコンやスマートフォンで、市のホームページから利用できる。 市障害者支援課によると、発達障害に関する講演会や支援者向けの研修会などの情報について、従来は担当部局がそれぞれホームページや冊子などで発信していたことから、市民らから「情報をまとめて提供してほしい」という要望が寄せられていた。 このため、同課が情報をまとめた上で、FBで発信するよう変更。市民や発達障害の人を支援する団体からのイベント情報も掲載できる。 同課は「様々な情報をタイムリーに発信していきたい。家族や支援者同士の情報交換の場としても活用してほしい」としている。
学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達障害がある生徒を対象にした「通級指導教室」が、奈良市立三笠中学校(同市三条川西町)に開所した。中学校の通級指導教室は同市内で初めて。 普通学級に在籍する生徒が授業時間帯などに利用できる。担当教員を配置し、ノートを取るのが苦手な生徒は目を動かす…
「川、は、いつも、は、水が、少ないのに、さんにちの、三日もの雨が水の、水がどっと、どっとましてまし、ましていました」 9月15日午後、東京都世田谷区の国立成育医療研究センター。東京都内の小学4年生の男児(10)がリハビリの一環で、国語の教科書では定番の童話「ごんぎつね」を読んでいた。 手元のコピーには、読みやすくするため、意味のある言葉ごとに細かく斜線が引いてある。「川は、いつもは水が少ないのですが、三日もの雨で、水が、どっとましていました」と、目の前の言語聴覚士が音読した後に続くだけ。それでも、たどたどしい。 男児が抱えているのは、学習障害のひとつであるディスレクシア(読み書き障害)だ。日本ディスレクシア協会は「通常の会話、話し言葉の理解や表現は普通にでき、知能も標準域にありながら、文字情報の処理がうまくいかない状態」と説明する。
写真や絵などを多用し、障害を持つ人も楽しめるよう構成された「LLブック」。北欧で盛んに出版されているこの本を日本でも普及させようと、NPO法人コミュニケーション研究センター(橿原市)と県内3公共図書館の指定管理会社が「LLブックをひろげる会」を作った。【矢追健介】 LLは「やさしく読みやすい」というスウェーデン語の略。理解しやすいよう写真やイラスト、絵文字、短い言葉を多く使う。北欧では1960年代から出版され、知的障害、学習障害などで読み書きが苦手な人のほか、認知症の人などにも親しまれている。 「ひろげる会」の結成は、同センター代表の島岡将・茨城大名誉教授が「読書が困難な人のために本の世界の扉を開こう」と呼び掛けた。桜井市立図書館など県内3館の指定管理者「図書館流通センター」(東京都)が応じ、同図書館で今年6月、LLブックの第一人者、藤沢和子・大和大教授を招いて県内初の学習会が開かれた。
発達障害者支援法改正案が今国会で成立する見通しになった。自閉症やアスペルガー症候群といった発達障害のある人に対する支援を充実させるため、都道府県が地域協議会を新設できるようにすることが柱。民進党が10日の「次の内閣(NC)」で了承した。主要な与野党が賛成し、10年ぶりに改正される。 地域協議会は当事者や家族、相談支援にあたる行政関係者や民間団体で構成。地域の支援体制の課題について情報を共有し、改善に向けて話し合う。現在はすべての都道府県と政令指定市にある相談窓口「発達障害者支援センター」の増設も求め、より身近な地域で利用できるようにする。 新たに基本理念も規定。発達障害のある人の日常生活や社会参加を妨げる「社会的障壁」を取り除くため、支援を切れ目なく提供することを明記した。 <アピタル:ニュース・フォーカス・その他> http://www.asahi.com/apital/medicaln
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