「モナ・リザ」の色を思い起こしたと話す大塚さん 社会福祉法人日本点字図書館(田中徹二理事長、東京都)は11日、立体化した絵画などを展示する「ふれる博物館」を都内に開設した。視覚障害者が作品を手で触って鑑賞できる。第1弾の企画はレオナルド・ダ・ヴィンチ展。広く知られた名画など24点が並ぶ。 「この絵を見た時の色が蘇りました」。都内に住むはり治療師、大塚郁代さん(81)は13日に同館を訪れ、『モナ・リザ』を触りながら声を弾ませた。石こうでできたレリーフは、イタリアのアンテロス美術館が製作したものだ。 もともと美術館めぐりが好きで、40歳頃に全く見えなくなったという大塚さん。その後も美術館に通った。「これまでは説明だけで寂しかったけれど、これなら楽しい」。 展示品は一部を除き、大内進・国立特別支援教育総合研究所名誉所員の所蔵品。中でも『最後の晩餐』は世界に3点しかない希少品だ。絵画のほか自走車な
視覚障害者が音楽を演奏するための「点字楽譜」。その普及をめざす「点字楽譜利用連絡会」(点譜連)の集いが7月1日に東京都内で開かれ、皇后さまが初めて出席することになった。音楽家でもある皇后さまは、自らの著書の印税などを寄付するなど、点譜連の活動を支えてきた。 点字楽譜は五線を使わず、音の高さや長さ、指づかいなどを六つの点の組み合わせで示す。作成はボランティアの手作業で、普及が課題となっていた。 皇后さまは、皇太子妃時代から各地の点字図書館や点字新聞の作成現場を視察しており、視覚障害者のために「何か力になれないか」と、寄付などで協力をしてきた。点譜連代表で全盲のバイオリニスト和波孝禧(たかよし)さん(72)は「皇后さまの存在が点字楽譜作成にかかわるボランティアら関係者の励み」と話す。 1日の集いでは、ホルン奏者の坂田優咲さん、プロフルート奏者・綱川泰典さんらの演奏のほか、和波さんらが点字楽譜の
パナソニックは1月20日、視覚障がい者向けに美術鑑賞を楽しんでもらえるガイドサービスを開発。汐留ミュージアムにて実証実験を行なうと発表した。 美術館において、視覚障がい者が美術鑑賞を楽しむことができるように学芸員やボランティアが解説するというワークショップが進められているが、人員の確保など美術館の負担も少なくない。パナソニックでは、視覚障がい者のために制作した音声コンテンツを美術館内の場所に応じて骨振動ヘッドフォンで自動再生。1人で気軽に楽しめるシステムを開発した。 システムではスマホを利用して位置を検出し、スマホにインストールした専用アプリが作品の鑑賞ガイドを再生する。実証実験はパナソニック汐留ミュージアム、特別展「マティスとルオー展」内の8点で、2月1日(10時~12時)、2月18日(10時~12時)の2回に分けて行なう。定員は各回14名。操作説明とヒアリングが行なわれる。
「シネマ・チュプキ・タバタ」の完成予想図 バリアフリーの映画鑑賞を推進する団体、シティ・ライツが運営する映画館「アートスペース・チュプキ(ART Space Chupki)」が上中里から東田端に移転し、「シネマ・チュプキ・タバタ(CINEMA Chupki TABATA)」として9月にオープンする。これにあたり現在、クラウドファンディング・サイトMotionGalleryにて支援プロジェクトを実施している。webDICEでは、シティ・ライツの代表・平塚千穂子さんとともにこのプロジェクトを立ち上げた、シティ・ライツ事務局員で「シネマ・チュプキ・タバタ」の支配人である佐藤浩章さんから、これまでの経緯や映画館のコンセプト、そしてクラウドファンディングについてメールでメッセージをもらった。 「アートスペース・チュプキ」は視覚に障がいのある方でも、FMラジオで“音声ガイド”や“字幕朗読”を使って楽し
視覚障害者らによる5人制サッカー(ブラインドサッカー)日本代表選手のドキュメンタリー映画などを上映する「神戸フットボール映画祭」が28日、神戸市中央区の東亜ホールで開かれる。 主催者によると、選手らが実際に使用するアイマスクや鈴が入ったボールも展示される。簡単な体験も可能で、障害者サッカーの魅力を伝える狙いだ。 フットボール映画祭は2011年に横浜で始まり、各地に広がった。神戸では2回目で、ブラインドサッカーの世界選手権に出場した日本代表選手の姿を追った「盲目のストライカー 世界へ」のほか、2作品が上映される。 会場では病気などで片脚を切断した人らが、つえで体を支えながらボールを蹴るアンプティサッカーや電動車いすサッカーなどの団体もブースを設けて魅力を紹介する。
常磐大教授らが無償配布 視覚に障害がある人が触って鑑賞できる「触察画」作りを研究している常磐大(水戸市)の中村正之コミュニティ振興学部教授とゼミ学生のグループが、葛飾北斎の浮世絵風景画「富嶽三十六景」の一つを複数のピースの凹凸画で表現した冊子(8ページ)を完成させた。無償配布した全国の視覚特別支援学校や点字図書館からは喜びの声が寄せられ、中村教授は「いずれは美術の教材にしてもらえるよう、完成度を高めていきたい」と意気込む。 中村教授は約20年前、友人から「全盲の親族に星空の写真を楽しませたい」と相談を受けたのをきっかけに触察画作りをスタート。2005年に、加熱すると線画が盛り上がる特殊な紙(熱膨張紙)と出合ったことで、研究は大きく前進した。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く