視覚障害者が音楽を演奏するための「点字楽譜」。その普及をめざす「点字楽譜利用連絡会」(点譜連)の集いが7月1日に東京都内で開かれ、皇后さまが初めて出席することになった。音楽家でもある皇后さまは、自らの著書の印税などを寄付するなど、点譜連の活動を支えてきた。 点字楽譜は五線を使わず、音の高さや長さ、指づかいなどを六つの点の組み合わせで示す。作成はボランティアの手作業で、普及が課題となっていた。 皇后さまは、皇太子妃時代から各地の点字図書館や点字新聞の作成現場を視察しており、視覚障害者のために「何か力になれないか」と、寄付などで協力をしてきた。点譜連代表で全盲のバイオリニスト和波孝禧(たかよし)さん(72)は「皇后さまの存在が点字楽譜作成にかかわるボランティアら関係者の励み」と話す。 1日の集いでは、ホルン奏者の坂田優咲さん、プロフルート奏者・綱川泰典さんらの演奏のほか、和波さんらが点字楽譜の
人混みの中で、白い杖をまっすぐに掲げて立ち止まる視覚障害者。「白杖(はくじょう)SOSシグナル」と呼ばれるこの独特のポーズがTwitterで話題になっています。東京新聞の記事を引用しつつ、「(このサインを)見かけたら声をかけてあげてください」「この記事をシェアするだけでだれかの『困った』を解消して助けるコトができます」と呼びかけるツイートは、現在までに5万7000回以上リツイートされています。 この「白杖SOSシグナル」はもともと福岡県盲人協会が考案したもので、視覚障害者が「今、助けてほしい」と思った時に、白杖を掲げることで周囲に助けを求めるというもの。実は40年ほど前から存在していましたが、残念ながら今のところ世間一般ではあまり知られていない、というのが実情でした。 白杖SOSシグナル(佐伯区視覚障害者の集い「白い三輪車の会」サイトより) 一方、この「白杖SOSシグナル」については以前か
「黄色い線までお下がりください」。通勤や通学の際に、駅でこんなアナウンスを聞いたことはありませんか?首都圏のいくつかの駅では、このほか「黄色い線の内側までお下がりください」などともアナウンスしています。この黄色い線を、黄色い点字ブロックと正確な表現に改めて、アナウンスをする鉄道会社が出始めています。その背景を取材しました。 違和感を感じたことはありませんか?足元にあるのは、線ではなく、視覚に障害のある人のための点字ブロックです。線とは呼べないほどの幅もあります。 点字ブロックを線と表現することについて、ツイッターには「電車が来るときに黄色い線の内側にというけど、黄色い点字ブロックはあるのに、線はない。どこを示しているんだろう」「黄色い線の内側へ下がってお待ちくださいというアナウンス。黄色い線とは点字ブロックのことなのだろうか」など、戸惑いを感じるという人のつぶやきも見られます。 列車が来る
大阪府柏原市の近鉄大阪線河内国分駅ホームから視覚障害者の男性が転落死した事故を受け、国土交通省は17日、全国の大手民間鉄道会社を集めた検討会を18日に開き、情報共有を図るとともに対策を話し合うことを決めた。一方、全国61の視覚障害者団体が加盟する日本盲人会連合は危機感を強め早急な対策を求める緊急声明の検討を始めた。 同省は、東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)で8月に視覚障害者の会社員の男性がホームから転落死した事故を受け、JR東日本などのほか、主に東京の大手民鉄が出席した対策検討会を開催。しかし、相次いで同様の事故が発生したことを重視し、開催日程を繰り上げた上で、近鉄のほか名古屋鉄道や西日本鉄道など全国の大手全社に出席を求めた。 日盲連の藤井貢組織部長は「転落事故が連続しており、危機的な状況だ。早急に対応すべきことがあるのではないか」と話し、近く緊急声明を出すことを明らかにした。日
盲学校では国内5番目の開設で、早くから視覚障害者の教育に取り組んできた県立岐阜盲学校(岐阜市北野町)の創設者、森巻耳(けんじ、1855~1914)について、学校の児童生徒らがよりよく知ることができるようにと、同校が伝記を発行した。自らも失明しながら学校の開設に奔走した姿が、子どもたちにもわかりやすく描かれている。 巻耳は1855年、金沢市生まれ。87年に現在の岐阜高校の英語などの教師として赴任したが、翌年、33歳で眼病を患った。91年に岐阜、愛知などで7千人以上の死者が出た濃尾地震を機に視覚障害者の支援に力を注ぐようになり、94年に岐阜盲学校の前身「岐阜聖公会訓盲院」を開院し、初代校長となった。このころには巻耳自身も、両目ともに失明していた。 そんな巻耳の生涯を伝えようと、子ども向けに伝記をまとめたのが同校の図書館司書、小沢純子さん。1994年に発行された「岐阜盲学校百年史」などで巻耳の生
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