会見に臨むNPO法人「OD-NET」の岸本佐智子理事長(右から2番目)ら=22日午後、東京・霞が関(桐原正道撮影) 見ず知らずの他人からの卵子提供で子供が誕生した。不妊に悩む女性にとっては「希望」となるが、親子関係の法の不備や、子供へどう説明するかなど重要な課題が解決されていない。社会がますます晩婚に向かう中、高齢出産も増えていく。高齢になるほど妊娠や出産のリスクも高まるだけに、生殖補助医療技術の期待に応える議論の成熟が望まれている。(天野健作) 生まれてきた子の親は、卵子提供者か、それとも産んだ女性か。2人の「母親」の存在は子供の苦悩を生む。 現在の民法は精子や卵子の第三者提供を想定していない。出産した女性を母親とみなす判例があるものの、生まれた子供の法的な位置付けは明確に定まっていない。 匿名の第三者からの卵子提供をめぐっては、厚生労働省の審議会が平成15年、報告書をまとめている。加齢