JR九州が県内の一部路線で、特急列車を運転士1人で運行する「ワンマン化」を進めていることに対し、県内15の障害者団体などでつくる県障害者社会参加推進協議会などが26日、同社に見直しを求める要望書を提出した。「移動などに制限のある私たちにとって、容認できない」としている。 要望書では、ワンマン化について、「車内の安全性の確保や非常時の対応を考えると、人命をも軽視したものだ」と指摘。各駅のバリアフリー化の推進も合わせて求めた。 協議会の矢野光孝会長ら4人がJR九州宮崎総合鉄道事業部(宮崎市)を訪問。宮野原佳部長に要望書を手渡した後、非公開で意見交換などを行った。矢野会長は「企業としてコスト削減は理解できるが、皆がより良く利用できる方向で考えてほしい」と話した。 JR九州は3月のダイヤ改正に合わせ、大分―宮崎空港間で一部特急のワンマン化を開始。その後、宮崎―鹿児島中央間も候補に浮上した。協議会に
点字で所属や連絡先を伝える「点字パトロールカード」を手にする金山巡査長=島根県雲南市で2017年5月2日、根岸愛実撮影 島根県警は交番や駐在所での点字の活用に力を入れ、全国に先駆けた取り組みとして注目されている。身分や連絡先を点字で伝える「パトロールカード」や「点字名刺」などを本部で作り、県内各署に配布。2013年に隠岐の島署の駐在所で始まった点字パトロールカードを参考に全署に広めた。この取り組みは今年4月に「地域住民に安心感を与えた」として警察庁生活安全局長賞を受賞した。【根岸愛実】 県警は昨年春、「障害者差別解消法」が施行されたのをきっかけに、点字シールを作ることができる「点字ラベラー」(約7万円)を購入。各署に積極的な活用を指示し、13の交番・駐在所がパトロールカードなどを取り入れた。今年度からは県内全署の交番・駐在所署員に、名刺の裏に貼るための点字シールを配布している。
■もっと優しく、音声案内など整備を 道分からず混乱…「困った」 全国的に導入例が増えている信号機のない円形の「環状交差点(ラウンドアバウト)」。県内では平成27年3月に千葉、市原両市の3カ所で運用が始まっている。出合い頭の交通事故の減少や災害時の渋滞回避などに効果がある一方で、視覚障害者には「円形にそって横断歩道を渡るのが難しい」「地形を事前に把握していないと道を間違えやすい」との声も上がる。「千葉県視覚障害者の生活と権利を守る会(県視生会)」のメンバーとともに、千葉市稲毛区のラウンドアバウトを歩き、周辺の課題を探った。(大島悠亮) ◇ 満開の桜を散らせてしまいそうな雨に見舞われた4月初旬のある日。同会の松川正則さん(61)=船橋市、山崎裕章さん(65)=千葉市稲毛区=に加え、2月に同市美浜区内の視覚障害者にとって危ない場所を案内してくれた弱視の尾内サイさん(79)=同市美浜区=とともに京
「黄色い線までお下がりください」。通勤や通学の際に、駅でこんなアナウンスを聞いたことはありませんか?首都圏のいくつかの駅では、このほか「黄色い線の内側までお下がりください」などともアナウンスしています。この黄色い線を、黄色い点字ブロックと正確な表現に改めて、アナウンスをする鉄道会社が出始めています。その背景を取材しました。 違和感を感じたことはありませんか?足元にあるのは、線ではなく、視覚に障害のある人のための点字ブロックです。線とは呼べないほどの幅もあります。 点字ブロックを線と表現することについて、ツイッターには「電車が来るときに黄色い線の内側にというけど、黄色い点字ブロックはあるのに、線はない。どこを示しているんだろう」「黄色い線の内側へ下がってお待ちくださいというアナウンス。黄色い線とは点字ブロックのことなのだろうか」など、戸惑いを感じるという人のつぶやきも見られます。 列車が来る
視覚障害者の安全な歩行を追求していた全盲の研究者、田中一郎さんが26年前、東京都内の駅のホームから転落し、62歳で亡くなった。四半世紀を経た今、教え子4人が遺志を継いで研究や訓練を続けている。【野村房代】 見えなくても普通に生活できる社会を 1991年5月17日未明。国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の研究員だった田中さんは、同僚の退職パーティーの帰りに、自宅最寄りの京王井の頭線・浜田山駅(東京都杉並区)で線路に転落した。ホームに登ろうとしているところに電車が到着し、車両とホームの間に挟まれた。 生理学者として東京女子医大で神経細胞を研究していた田中さんは目の病気が悪化し、40歳の頃、全盲となった。当時の国立視覚障害者施設は、はり・きゅうマッサージの教育が中心で、1人で外出して歩くための訓練メニューはなかった。
成蹊大理工学部の大倉元宏教授の研究グループが、視覚障害者の駅ホームからの転落事例を集めたデータベースをインターネットで公開している。事故があった現場の具体的な状況を明らかにして、今後の事故防止に役立ててもらうのが目的。11月に東京都墨田区で開かれたサイトワールドの会場で来場者に紹介した。大倉教授は「事例が他にあれば教えてほしい」と協力を呼びかけている。 1974~2014年に起きた13件について、転落した本人や関係者から話を聞き、現場調査などを行って当時の状況や原因を記録した。事故が起きた路線名などを入力して検索できる。
高齢者が運転する自動車による事故が相次いでいますが、日本老年精神医学会は、認知症検査などが強化される来年の改正道路交通法の施行を前に、高齢者の運転を支援するハードウェアの普及や免許証を返納した人への支援など、高齢者への配慮を求める提言をまとめ、厚生労働省などに送りました。 提言では、まず高速道路の逆走を防止するゲートの設置のほか、自動ブレーキやペダルの踏み間違い防止装置を標準装備とすることなど、ハードウェアの普及や新たな研究開発を求めています。 そのうえで、運転免許証を自主返納するなどした高齢者に対しては、タクシーやバスの乗車券などの代替策を用意することのほか、高齢者講習会の際の教習所の運転試験では路上運転に不可欠な認知能力などが正しく評価できないとして、教習所の外での実車テストの導入を検討することなどを求めています。 日本老年精神医学会の新井平伊理事長は「運転免許の取り消しや自主返納だけ
大阪府柏原市の近鉄大阪線河内国分駅ホームから視覚障害者の男性が転落死した事故を受け、国土交通省は17日、全国の大手民間鉄道会社を集めた検討会を18日に開き、情報共有を図るとともに対策を話し合うことを決めた。一方、全国61の視覚障害者団体が加盟する日本盲人会連合は危機感を強め早急な対策を求める緊急声明の検討を始めた。 同省は、東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)で8月に視覚障害者の会社員の男性がホームから転落死した事故を受け、JR東日本などのほか、主に東京の大手民鉄が出席した対策検討会を開催。しかし、相次いで同様の事故が発生したことを重視し、開催日程を繰り上げた上で、近鉄のほか名古屋鉄道や西日本鉄道など全国の大手全社に出席を求めた。 日盲連の藤井貢組織部長は「転落事故が連続しており、危機的な状況だ。早急に対応すべきことがあるのではないか」と話し、近く緊急声明を出すことを明らかにした。日
日本盲人会連合(日盲連)は6日、視覚障害者が危ないと感じる都内の駅についてアンケート結果を公表した。JR飯田橋駅を挙げた回答が最も多く、次いでJR新宿駅だった。4割近い人がホームから転落した経験があると答えた。 東京メトロ銀座線青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性(55)が線路に転落し、亡くなった事故を受け、日盲連と都盲人福祉協会がアンケートした。8月31日~今月5日に意見を募り、57人が回答した(複数回答可)。 10人が危険としたJR飯田橋駅は、ホームがカーブしていて電車とホームの間が広く空いている点を挙げる声が目立った。「ホームが狭く、(大半の駅で)ホームドアがない」として、事故のあった銀座線が危ないと指摘する意見も3人から寄せられた。 危険な体験を尋ねたところ、2…
神戸市消防局は1日、聴覚・言語障害のある人がスマートフォンや携帯電話のインターネット機能を利用して、119番できる「NET119番通報システム」の運用を始めた。 同市消防局では平成24年以降、スマホや携帯電話のネット機能を使った通報システム「Web119番」を導入。今回は一部機能を向上させ、新システムとして運用を開始した。 「NET119番」を利用するには、専用アプリのダウンロードが必要。アプリを起動し、救急、火事、その他のいずれかを選んだ後、自宅か現在地を選択して通報する仕組みになっている。市消防局が通報を受け付けると、チャット画面に切り替わり、詳しい状況を伝えられる。 このほか、旅行先など神戸市外から通報した場合、通報場所の自治体が「NET119番」を導入していれば、最寄りの消防本部に通報が入る。導入していない場合は登録している神戸市消防局に連絡が入り、現地の消防本部に出動を依頼すると
視覚障害者が駅のホームから転落する事故を防ぐため、成蹊大学理工学部の大倉元宏教授(人間工学)らの研究グループが転落事例を集めたデータベースをつくり、公開している。鉄道会社の安全対策に役立ててもらうことを想定している。 25日に記者会見した大倉教授によると、データベースに登録した事故は全国の医療福祉関係者などを通じて集めた13件。1974~2014年に起きた事故で、転落した当事者と現場に行って状況を調べた。駅名、ホームの構造、歩いた経路などを写真や図をつけて説明している。 大倉教授は「転落の理由をできるだけ客観的に解明できるよう作成した。即効性のある対策としては、周囲の見守りや声かけになる」と話す。データベースのアドレスは(https://omresearch.jp/fall/browse/)。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く