老いの現場を歩く:6(マンスリーコラム) このコラムも最終回。朝日新聞神奈川版「迫る2025ショック」での取材をもとに、2025年問題の実態や先進的な取り組みを伝えてきた。最後に、「支え手」である現役世代が縮小する中、高齢になっても元気な「アクティブシニア」と、中高生や大学生らに役割を担ってもらうことの大切さを書きたい。 長年介護の取材をしていて、私自身の中に何となく、高齢になると皆「介護される存在」になるという先入観があった。だが1年半ほど前に、介護の資格を取ろうとしている米寿の女性がいると知り、私の認識が誤りであることに気づかされた。 「介護の学校・QOLアカデミー」(川崎市川崎区)に行くと、その女性は自分の子どもや孫ぐらいの同級生と一緒に勉強し、実習に励んでいた。同区に住む竹島静枝さん(89)。2015年末の約1カ月間、平日は講座に毎日通い、無事に介護職員初任者研修修了の資格を取った