発達障害とその療育の現状と課題について、小児科専門医の平岩幹男さんに聞いた。 ●通級指導9万人超 −−文部科学省の2015年度の調査では、発達障害などで一部の授業を「通級指導」で受けている公立の小中学生が、全国で初めて9万人を超えました。 発達障害の認知度が飛躍的に高まってきていると思います。05年に施行された発達障害者支援法で発達障害のある児童の早期発見と支援が掲げられ、子どもの障害に家庭や学校が敏感になった表れでしょう。一方で、社会の寛容度が低くなった影響も障害とみなされる人が増えた理由の一つかもしれません。「子どもの多様性が大切」と言いながら、普通に生活できないことに批判的になったり、違っていることを敬遠したりするのが現状です。親は子どもの仲間外れを嫌がり、学校は「周囲と異なる児童や生徒」を管理したがる傾向があります。 −−療育はいつごろ始めたらいいのですか。