渡辺和広さん(医学系・博士3年)らは、2016年に公開されたスマホゲームアプリ「Pokémon GO」を1カ月以上継続して遊んだ労働者に、気分の落ち込みや不安、疲労感といった心理的ストレス反応の減少がみられたと明らかにした。世界で初めて「Pokémon GO」と労働者の心理的ストレスとの関連を示す研究成果だ。成果は9月7日付の英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」(電子版)に掲載された。 拡張現実を利用したスマホアプリ「Pokémon GO」は、あたかも現実世界でポケモンを育て、捕まえるかのような体験ができ、遊ぶためには外出して動く必要がある。この特性上、「Pokémon GO」が引きこもりや気分の落ち込みの解消に有効であるなど、心の健康に及ぼす効果についても議論されてきた。しかし、これらの議論は事例証拠や専門家の意見にとどまっており、科学的な証拠が示されていなかっ