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虐待を受けて入院し治療が終わったにもかかわらず、受け入れ先がないなどの理由で退院できなかった子どもが去年までの2年間で350人余りいることについて、塩崎厚生労働大臣は「児童相談所がなぜ子どもを病院に放置するのか、理解できない」などと述べ、実態調査を行ったうえで対策を検討することを明らかにしました。 これについて、塩崎厚生労働大臣は21日の閣議のあとの記者会見で「児童相談所がなぜこうした子どもを病院に放置するのか、理解できない。虐待の対応が増えて忙しいという話もあるが、子どもの発育によくないだけでなく、病院にも迷惑をかけている」と述べ、近く全国の児童相談所を対象に実態調査を行ったうえで対策を検討することを明らかにしました。 そのうえで、「子どもが健全に育つ権利を守るためにも、子どもにいちばんあった形での養育を実現したい」と述べ、施設への入所だけでなく、より家庭的な里親への委託や、特別養子縁組
保護者による入院中の子どもへの虐待は、全国各地の病院で起きている。小児科医らによる今回の調査では、その一端が明らかになった。 身体的な虐待では、感染症で入院した子どもに対し「激しく怒鳴っている、布団を覆せて殴っている」と同室の子の親から相談があった▽肋骨(ろっこつ)を複数骨折していたが、母が面会した後、新たな骨折が判明、といった事例があった。 保護者が、子どもをわざと病気にして献身的に看護し、周囲の注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群」のケースも多い。子どもの点滴に排泄物(はいせつぶつ)や異物を混入する、などだ。また、輸血拒否など適切な治療をさせない「医療ネグレクト」もあった。 調査チームの一人で、国保旭中央病院(千葉県旭市)小児科の仙田昌義医師は「入院中の虐待は予想以上に多かった。対策を考えるため、その後の経過や、児童相談所、警察がどう関わったかなどをさらに詳しく調べたい」と
虐待によるけがの疑いなどで入院中、院内で保護者から虐待を受けた子どもが、昨年までの2年間に28人いたことが小児科医の全国調査でわかった。入院の際、保護者以外に付き添う人の確保が難しいことが背景にあり、病院が必ずしも安全な場所になっていない実態が明らかになった。 前橋赤十字病院(前橋市)小児科の溝口史剛医師らが今年1月、小児科病床がある全国963病院を対象にアンケートを郵送。454病院(47・1%)から回答を得た。 調査の報告書によると、虐待の疑いなどで入院した事例は2015~16年に全国で2363人。その1・2%にあたる28人が、看病で付き添い中の保護者から院内で虐待を受けていた。 また、この2年間に限らず、保護者による院内虐待について尋ねたところ、65人の事例が寄せられた。うち35人は死亡につながりかねない重度の虐待で、窒息による低酸素脳症の女児が親の付き添い中に大腿(だいたい)骨を骨折
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