昨年11月、大阪府寝屋川市でバケツにコンクリート詰めにした4人の乳児の遺体が見つかった事件は、世間に大きな衝撃を与えた。母親である容疑者は「ずっと悩んでいて相談できる人がいなかった」と警察に話したという。 生まれたばかりの乳児がトイレやゴミ捨て場などに遺棄される事件は、各地で後をたたない。今年1月31日には、自宅トイレで産んだ乳児の遺体を押し入れに遺棄したとして、大阪府箕面市の19歳の少女が死体遺棄の疑いで逮捕された。少女は祖父母と母親と暮らしていたが、妊娠を知らせていなかったという。 厚生労働省のデータによれば、児童虐待死で最も多いのは、0歳0か月0日、つまり生まれたその日に亡くなってしまう赤ちゃんで、加害者の9割は母親であるという。そしてそのほとんどが妊婦検診未受診で、母子手帳未交付の状態だ。
性暴力の被害者は、被害のことを誰かに相談したくても、家族や知人には、むしろ知られたくないと思うことが少なくない。そこで、1カ所の窓口で治療や支援につなげる「ワンストップ支援センター」の設置が2010年以降、全国に広がっている。だが、被害者にとって十分満足できる場所とはいえない。【鈴木敦子】 昨年秋、県内に住む女性は、知人男性から受けた性暴力について相談しようと思い、「県性暴力被害者サポートセンターSaveぐんま」のホームページ(HP)を開いた。Saveぐんまは15年に県が高崎市の産婦人科「佐藤病院」の敷地内に開設したワンストップ支援センターだ。 そこには相談窓口の電話番号が書かれていたが、電話をかけられなかった。「相談員が自分の知り合いかもしれないし、電話で何を聞かれるのだろうかと思うと……」
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