企業に義務付けられている障害者の雇用割合(法定雇用率)が4月から引き上げられる。新たに精神障害者の雇用分も入れて法定雇用率を算出するようになるからだ。身体障害者に比べて安定して働くことの難しい精神障害者。その働く場を広げる取り組みが進んでいる。【鈴木直、下桐実雅子】 病院、適職探し支援 東京都八王子市の堀川正志さん(62)は、うつ病を抱えながら都内の大手スーパーに勤める。担当は、前の仕事の経験を生かせるポップ(店内に掲示する販売促進文)づくりやブログの更新。働き始めて5年半がたち、今では趣味の写真の腕前を買われて地域の風景写真のギャラリーも任され、客から好評だ。 「できる仕事は何一つないと思っていた。病気が治ってから就労を考えていたら、いまだに仕事はしていなかっただろう」。堀川さんは笑顔で語る。
医療的ケアが必要な子供や重度の障害児が日中を過ごす施設で、母親を雇用する取り組みが広がってきている。保育園など子供を長時間預けられる場所は少なく、仕事を辞めて孤独な子育てをしている母親も多い。職場を提供し、精神的、経済的に支える狙いだ。子供のそばで働ける安心感もあり、仕事との両立支援策として期待が高い。 ◆外の世界に再び 千葉県松戸市で医療的ケアが必要な子供を預かる「サボテンKIDS」。運営会社のアースは昨年10月から、母親の採用を始めた。パートの看護師、雅代さん(44)=仮名=は難病の長男(5)を預け、働いている。 長男はヌーナン症候群という難病で、1日に何度もたんの吸引が必要だ。出産までは助産師として働いていたが、子供を預ける先がなく、仕事の継続を断念。家族はいるが、これまでほとんど1人で介護や食事の介助をしてきた。「子供と家族だけの生活が、外の世界に触れられるように変わってうれしい」
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く