「介護職だけじゃ、食べていけない。風俗嬢だけじゃ、何かが壊れる」というキャッチコピーが衝撃的な、作家の家田荘子氏の新刊「昼、介護職。夜、デリヘル嬢。」(ブックマン社刊)が話題を呼んでいる。 本書にはまさに今、日本全国で起きている女性の貧困問題が描かれている。真面目に勉強して、認知症の高齢者を助けたいという純粋な想いから介護職についたものの、あまりの低収入、ブラック労働に疲弊して、デリヘル嬢との二足の草鞋を履いている20~50代女性の証言をまとめたもの。 読めば想像以上に彼女たちは、介護職に対して真摯に向き合っており、天使のように優しい一面も併せ持ち、デリヘル嬢の仕事で学んだサービスや心得を、介護の現場で応用できていると、二つの職業の共通点を挙げる女の子も少なくない。同時に、介護施設に入れられて、性欲をタブー視されている男性高齢者達の苦しみもせつないほどに伝わってくる。 「性欲って言葉自体が