不登校の子供の学校外での学びを支援することを明記した「教育機会確保法」が7日の参院本会議で可決、成立した。フリースクールなど学校外で学ぶ場の重要性を指摘。休養が必要であることを認めるとともに、子供の状況の継続的な把握や学校外施設などの情報提供を国や自治体に促した。超党派の議員連盟は当初、同法で保護者が子供の「個別学習計画」を作り、自治体が認めればフリースクールなど学校外での学習を義務教育として
政府は5日、自殺総合対策大綱の見直しに向けて、有識者検討会の初会合を開いた。平成19年に作成された大綱は5年ごとの見直しが義務付けられている。今回は、労働者の過労自殺や子供のいじめ自殺などがテーマになる。年度内に報告書をまとめた上で、来年夏にも改定した大綱を閣議決定する。 今回の見直しでは、いじめなどに悩む子供が学校で、容易に助けを求められるような仕組み作りを検討。電通の新入社員のように若年層の過労自殺も社会問題化しており、労働者を救う提言も議論する。 警察庁の統計によると、自殺者は平成に入ってから15年の3万4427人をピークに減少傾向にあるものの、27年は2万4025人で深刻な状況に変わりない。18年に医療機関の整備や調査研究の実施を求める自殺対策基本法が成立。今年4月には改正法が施行され、自治体に自殺防止の計画策定を義務付けた。
フリースクールなど、学校以外の場で学ぶ不登校の子どもの支援を目的にした教育機会確保法案が22日の衆院本会議で可決され、今国会で成立する見通しが強まった。当初は、学校外での学びを義務教育制度に位置づけることをめざしたが、反対論が根強く、この部分を削除する大幅な修正が行われ、可決された。 本会議では、自民、公明、民進、日本維新の会が賛成し、共産、自由、社民が反対した。 法案は、全ての子どもが安心して教育を受けられるよう学校の環境を確保▽不登校の子が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援が行われるようにする、などの基本理念を明記。国と自治体は、学校以外での「多様で適切な学習活動」や「休養の必要性」を前提に、子どもや保護者に情報提供などのための措置を講じるとした。 また、不登校の子の教育機会確保のための施策を国、自治体の「責務」とし、「必要な財政上の措置を講じるよう努める」
東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した市立中1年の男子生徒がいじめを受けていたのに、学校や市教育委員会が適切に対応していなかった問題で、市教委は21日の記者会見で、校内の問題解決に向けて、学校に配置するスクールソーシャルワーカーなどの専門職を活用していなかったことを明らかにした。その上で「(活用は)ネグレクトなど福祉的な背景が前提で、(いじめ問題は)想定していなかった」と釈明、対応の不備が浮き彫りになった。 市教委は「(活用していれば)違った展開になったかもしれない。今後の課題だ」と述べた。また、市教委は同日、いじめ問題の取り組み徹底についての通知を市内小中学校など509校に出し、未然防止に向けた取り組みを強化するとともに、関係機関との連携強化を図るよう要請した。
「いじめ防止対策推進法」が施行された2013年9月以降、いじめと自殺の関係が問われた12件のうち少なくとも9件で、第三者委員会が、同法で求められている学校での情報共有が不十分だったと認定していたことがわかった。同法は28日で施行から3年が過ぎたが、3年で法の見直しを検討する規定がある。より情報共有を進める仕組みをどう作るかが、見直し論議の焦点になりそうだ。 同法は大津市の中2男子が11年に自殺した事件を機に自民、民主などが法案を共同提出し、13年9月28日に施行された。 文部科学省への取材などによると、法施行後、いじめによる自殺と疑われたケースは3年で少なくとも20件あり、小4から高3の20人が亡くなっている。 このうち、同法に基づく弁護士…
いじめ問題に取り組むNPO法人「ストップいじめ!ナビ」(荻上チキ代表理事)が、「いじめ防止対策推進法」に基づき各自治体が策定している「いじめ防止基本方針」に実効性があるかを採点した。昨年7月に起きた岩手県矢巾町の中学生のいじめ自殺では、教員らが同法の趣旨を十分に理解せず、同法の規定で設置された学校のいじめ防止対策組織も機能しなかったと指摘された。荻上さんは「第三者の立場でチェックし、自治体や学校に変革を求めたい」と話している。 「ストップいじめ!ナビ」は2012年に設立。弁護士や不登校の問題にかかわる専門家ら約20人で構成されている。いじめに関する調査研究や行政への政策提言などをしており、自治体の基本方針の採点は14年に続き2回目となる。 この記事は有料記事です。 残り1938文字(全文2262文字)
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