生まれたばかりの赤ちゃんの虐待死を防ごうと、厚生労働省は来年度から、貧困などで「望まない妊娠」に悩む女性を支援するモデル事業に乗り出す。産科医療機関などに児童福祉司らを配置し、出産後の生活相談に応じる。まずは全国10カ所の自治体で開始し、成果を基にガイドラインを作成するなどし、全国展開を目指す。厚労省は妊婦との接点が多い産科のある医療機関や助産所、貧困や家庭内暴力に苦しむ母子を受け入れる「母子
去年3月までの1年間に、虐待を受けて死亡した子どものうち、1歳未満の乳児では、70%の母親が妊娠を望んでいなかったことが厚生労働省の分析でわかりました。 さらに、厚生労働省が詳しく分析したところ、虐待によって死亡した27人の乳児のうち、70%に当たる19人では、母親が妊娠を望んでいなかったことがわかりました。こうした母親の多くは自宅など病院以外で出産し、そのまま放置していたということで、なかには、育児に関する不安や精神障害を抱えていたり、夫などから暴力を受けたりしていたケースもあったということです。 厚生労働省は「望まない妊娠をした女性を支援するため、助産師や保健師などが、妊娠から子育てまでの相談を一括して受け付ける窓口を全国の保健所などに整備したい」としています。
乳児の虐待死を防ごうと、厚生労働省は来年度、望まない妊娠に悩む女性を支援するため、産科医療機関などに児童福祉司らを配置するモデル事業に乗り出すことを決めた。 貧困や未婚などで悩む妊産婦の相談に乗り、出産後の生活をサポートすることで虐待予防につなげるのが狙い。まずは全国10か所で事業を始め、検証したうえで全国に広げたい考えだ。 厚労省によると、虐待死の詳細な検証を始めた2003年度から13年度までに虐待で亡くなった18歳未満の子供は582人(心中を除く)。このうち0歳児が256人(44%)と年齢別では最も多く、生後24時間以内の死亡は98人(17%)を占めた。 0歳児が被害者となったケースの大半は実母が加害者で、若年や未婚などによる望まない妊娠や経済的困窮、精神疾患などが背景にあったものが目立った。
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