下校途中の小学生があいさつにくる ドンドン! お昼過ぎ、準備中の札が下がったカフェの扉をたたく音がする。扉の向こうではランドセルを背負った小学1年生2人が、にこにこしながら店内をのぞいていた。「おかえり」と店長の武石由貴子さんは声を掛けにいく−。 東京都世田谷区の世田谷代田駅からすぐのカフェ「シモキタトナリ」でおなじみの光景だ。一見普通のカフェだが、実はちょっと違う点は、オープンさせたのが元児童養護施設職員たちだということ。2015年5月設立の一般社団法人「SHOEHORN」(シューホーン)代表の武石和成さん(32)が施設の子どもや退所者、職員らの役に立ちたいと同年6月に開いた。武石夫妻の他に3人のスタッフがいる。 営利の事業として、福祉活動の場になるカフェの運営と店頭で野菜の販売を行う。地域の親子連れや仕事帰りのサラリーマンらがよく訪れるという。 福祉関連の活動は、例えばカフェの準備中に