不起訴が見込まれる高齢者や知的障害者の社会復帰などに役立てるため、東京地検が少年鑑別所の心理技官に、専門的な知能検査や性格分析を依頼する連携を進めている。刑務所服役後の出口からではなく、捜査段階から福祉の視点を取り入れる「入り口支援」を強化するのが狙い。心理技官の報告書をもとにスムーズな福祉移行につなげている。 「過去に福祉で手帳をもらった気がするけど、覚えていない……」。自転車を盗んで逮捕された路上生活の40代男性に対する東京地検の取り調べ。本人の話はあいまいで、生活状況は一切分からない。知的障害が疑われたものの、担当検事は確信を持てなかった。