世界で初めて人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の網膜細胞移植手術を手がけた理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが31日、神戸市内で記者会見し、視覚障害者の就労支援などを行うプロジェクト「i(アイ)see(シー)!運動」を2月1日から始めると発表した。 プロジェクトは高橋氏が理事を務める公益社団法人「ネクストビジョン」(同市)が取り組む。視覚障害者に働き方を提案し、企業側への啓発にも力を入れる。来年秋に同市に開業する網膜再生医療研究・治療施設「神戸アイセンター(仮称)」に拠点を置き、治療から就労まで一貫してサポートを受けられる環境づくりを目指す。 国内の視覚障害者は約164万人とされるが、全盲でない人でも、通勤時の事故などの懸念から雇用は十分に進んでいないのが現状という。高橋氏は「視覚障害者の方が社会にとけ込む手助けをしたい」と話した。