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「娑婆(しゃば)での生活にようやく慣れてきた」「自分も働いて収入を得たい」 10月15日午後7時すぎ。関西のある更生保護施設の会議室で、元受刑者の入所者7人が車座に並べたパイプ椅子(いす)に座っていた。軽度の知的障害を持つ入所者の姿もある。日中は各自、仕事や住居を探しに外出するため、集まれるのは夜間ぐらいしかない。 ただの談笑ではない。対人関係で直面する問題を想定した社会生活技能訓練(SST)の一幕だ。 この施設はコミュニケーションに時間を割いてSSTを行っている。講師を務める精神保健福祉士の女性(33)が、その狙いを明かした。「刑務所では、安心して正直に話せる機会が少ない。『どんな話でも聴いてもらえる』と思わせることで、やる気を引き出したい」 原則半年という短い入所期間では、参加者の入れ替わりが激しい。雑談で一人一人の性格や知能レベルを把握し、より効果的な授業をしたいといった思惑もあると
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