災害時に多数の避難者が発生すると見込まれる大規模マンションで、被災時を想定した実践的な設備やソフト面でのサポートが広がっている。阪神大震災や東日本大震災の被災者の声を生かし、防災倉庫や非常用発電機などの設備に加え、開発会社が販売・引き渡した後も訓練やイベントなどで防災の取り組みを支えている。(石川有紀) 2月から入居が始まる国内最高階数の55階建て免震構造マンション「ザ・パークハウス中之島タワー」(大阪市北区、894戸)。火災発生時には、屋上ヘリポートと非常用エレベーターの空陸両方での避難を可能にした。通常、マンション火災では消防隊の消火活動のため、非常用エレベーターの避難利用は認められていないが、独自の防災計画書を策定。大阪市消防局などによる審査を受け、2基のうち1基を高齢者や妊婦など歩行困難者の避難に利用できるようにした。 被災生活に備え、共用部には非常用発電機や水タンク、備蓄食料のほ