差別解消法施行から2年 地道に取り組む事業者も 障害者差別解消法の施行から2年が過ぎた。二つの盲導犬訓練施設が盲導犬ユーザーを対象に行った受け入れ拒否に関する調査では、依然として6割近い人が入店拒否にあっていた。一方で、周囲からの声掛けが増えるなど、人々の障害に対する理解に変化を感じるとの声も増えていた。盲導犬の受け入れ促進に取り組む現状を取材した。【山縣章子】
日本盲人社会福祉施設協議会がこのほど、今年3月末時点の盲導犬頭数についてまとめた。国内で実働するのは941頭で、前年から10頭減った。育成頭数は5頭増え139頭。引退したのは149頭で、8年連続で育成頭数を上回った。日盲社協理事の吉川明さんは、新規のユーザーが増えない理由を「無償貸与についてや、弱視者でも貸与されることを知らない人が多い」と指摘している。【澤田健】 各施設ごとの頭数。16、17年度の(実働、引退、育成の順)と、都道府県別の実働数は以下の通り。
まとまった雪が降り続く冬本番の新潟県内で、路面や歩道に残る雪が盲導犬ユーザーの頭を悩ませている。除雪により普段ない段差や障害物が現れたり、積雪で点字ブロックが消えたりして危険が一層増すためだ。日本盲導犬協会仙台訓練センター(仙台市青葉区)が12日、新潟市中央区で開いた勉強会に参加して、ユーザーの切実な悩みを聞いてきた。【堀祐馬】 勉強会には弱視や全盲のユーザーとその家族ら約10人が参加。はじめに、全盲の赤塚セツさん(72)=新潟市中央区=らが盲導犬と共に雪道歩行を体験した。赤塚さんは「道路が凍っていると滑って怖い。普段ない雪の段差があったりして大変」と話した。「冬はなるべく外には出歩かないようにしている」というユーザーもいた。
国土交通省は、障害者差別解消法に基づく航空旅客ターミナル事業者向けの対応指針を策定した。 2016年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)では、障害を理由とする差別を解消するための措置として、民間事業者に「差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」を求めている。 国土交通省では2015年11月、所管する事業向け対応指針を策定し、特に不動産業関係、鉄道事業関係など、9事業については個別具体的に対応のあり方をまとめている。 今回新たに追加する「航空旅客ターミナル施設事業」は、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」「観光立国実現に向けたアクションプログラム2016」に指針を追加するとされていたもの。 これを受け、国土交通省では、障害者団体や事業者団体からの意見も踏まえ、「航空旅客ターミナル施設事業」についての対応指針を策定し、国土交通省の対応指針
厚生労働省では、障害者週間(※1)の平成28年12月3日(土)、ららぽーと横浜(横浜市都筑区)で身体障害者補助犬啓発イベント「身体障害者補助犬法ってなんだろう?」を開催します。 このイベントは、身体に障害がある方々の生活をサポートする盲導犬や介助犬、聴導犬の活動紹介を通じて、身体障害者補助犬法(※2)に関する国民の理解を深め、障害者の自立と社会参加の促進につなげることを目的に毎年開催しています。 当日は、補助犬の役割を紹介するデモンストレーションのほか、「補助犬との出会い、希望した理由」、「実際の生活」、「あなたにとって補助犬とは?」などをテーマに補助犬ユーザーによるトークショーを行います。参加費は無料で、誰でも自由に参加できます。 1.日時 平成28年12月3日(土) 1.11:30~12:30 、2.14:00~15:00 (2回開催) 2.場所 ららぽーと横浜 サウスコート1階
航空などの交通業界関係者に補助犬の役割を伝えたセミナー=東京都大田区で2015年10月27日午後4時1分、釣田祐喜撮影 日本補助犬情報センターが利用者アンケート 飲食店やタクシーなどを利用する際、補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の同伴を拒否された人が約6割に上ることが、日本補助犬情報センター(横浜市)のアンケートで分かった。補助犬の使用者47人が回答した。身体障害者補助犬法により同伴拒否は禁じられている。使用者は「法成立がゴールではない。理解を広めたい」と訴えている。 厚生労働省によると、国内の補助犬使用者は約1120人。情報センターは昨年9〜11月、補助犬使用者でつくる団体の会員らにアンケートを実施した。2015年10月までの5年間に、飲食店や小売店などの施設、航空機やバスなど公共交通機関で同伴を拒否された経験を尋ねた。回答のあった47人のうち、いずれかで同伴拒否を体験したと回答したのは
盲導犬を理由に使用者の約9割が差別された経験がある−−。盲導犬育成と視覚障害者への歩行指導をする公益財団法人アイメイト協会(東京都練馬区)が3月に行った盲導犬現役使用者へのアンケートで、後を絶たない差別が明らかになった。 アンケートは盲導犬使用者の実態を伝えることで、共生社会の実現を目的に実施された。同協会の盲導犬現役使用者259人のうち102人から回答を得た。 アンケートでは、「盲導犬を理由に嫌な思いをしたことがあるか」の問いに、89.2%が「ある」と答えた。複数回答で差別について具体的に聞いたところ、差別を経験した場所として、居酒屋や喫茶店を含むレストランが78.9%と最も多く、ホテルや旅館といった宿泊施設(33.3%)、病院(20.0%)、タクシー(13.3%)が続いた。 この記事は有料記事です。 残り306文字(全文650文字)
金沢市内で3月、盲導犬を連れた視覚障害者の男性(60)がタクシーを利用しようとして、運転手から乗車を拒否された。公共の場や交通機関で盲導犬の同伴を認めた身体障害者補助犬法の成立から10年以上たつが、無理解は後を絶たない。過去にも同様の経験があるという男性の外出に8日、同行し、視覚障害者の立場で考えた。【金志尚】 小松市内で一人で暮らす男性は、病気が原因で30歳の頃から視力が徐々に低下。約20年前から盲導犬の使用を始め、現在は3代目のラブラドルレトリバー(雄、3歳)と生活を共にする。マッサージ師として働く傍ら、週1、2回金沢に出向き、買い物などを楽しむ。 この記事は有料記事です。 残り828文字(全文1108文字)
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