旧厚生省が優生保護法(1948~96年)下で推進した障害者らへの強制不妊手術をめぐり、初代厚生労働相を務めた坂口力(ちから)氏(84)が毎日新聞のインタビューに応じ、被害者への補償を実現する救済法について「重要だ」と明言した。来年の通常国会に救済法案の提出を目指す超党派議員連盟に「早く救済の結論が出るよう期待する」と述べた。【田所柳子】 15歳で手術を強制された宮城県の60代女性が起こした国家賠償請求訴訟では、坂口氏が厚労相時代の2004年に被害者への対応について「今後考えていきたい」と国会答弁したことが争点の一つになっている。13日に仙台地裁で開かれる第2回口頭弁論で国側は、この答弁を理由に国が救済策を怠ったとする原告の主張に対し、国家賠償法の存在を理由に救済法制定の「義務」を否定する構えだ。
宮城県は、旧優生保護法(1948~96年)に基づき不妊手術を強いられた本人にも開示していなかった県公文書館の保存資料について、本人に限って特例的に開示を認めることを決めた。同館保存の不妊手術に関する審査会議事録などの資料は「人権問題に関する個人情報がある」として100年以上の非開示期間が設定されていたため、本人が閲覧を請求しても存命中は事実上見ることができず、県も内容を把握していなかった。【遠藤大志、岩崎歩】 県は859人分の手術記録が残っていたと発表しているが、公文書館の保存資料は含まれておらず、今後の確認で増える見通し。非開示期間が同様に長期にわたる公文書館は埼玉県など他にもあり、宮城県の判断は全国に影響を与えそうだ。
BOOK 『障害者が街を歩けば差別に当たる?! 当事者がつくる差別解消ガイドライン』=DPI日本会議・著
学校で事故などに遭った際に支給される災害共済給付の障害見舞金について、障害が残ったにもかかわらず「事故前と障害の等級が変わらない」との理由で不支給になった事例が2005~15年度に10件あったことが分かった。支給元の独立行政法人日本スポーツ振興センターが明らかにした。 学校管理下で事故に遭った児童生徒らに障害が残った場合、文部科学省令が定める14段階の障害等級に応じて82万円から3770万円の障害見舞金が支給されるが、元々障害のある児童生徒が同一部位に障害を負った場合は、等級が重くなった分だけ支給する規定がある。 福岡県久留米市立久留米特別支援学校では2012年、生まれつき脳性まひの少年(18)が給食中の窒息事故で重い脳障害などを負ったが、同センターは事故前から最重度の1級の障害があったとして障害見舞金を不支給とした。少年の母親は「自分たちだけの問題ではないはずだ」として福岡地裁久留米支部
水俣病の症状があるのに患者と認めなかった新潟市の判断は不当だとして、新潟市内の男女9人(うち1人は故人)が、市に患者と認めるよう求めた訴訟の判決が30日、新潟地裁であった。西森政一裁判長は、7人について市の判断を取り消して患者と認めるよう新潟市に命じ、2人は訴えを退けた。原告側は控訴を検討するという。 水俣病は、公害健康被害補償法(公健法)に基づいて行政が患者認定を行う。旧環境庁が1977年に示した基準で、手足の感覚障害や、視野が狭くなるなどの症状が複数ある場合に患者とするとした。だが、最高裁が2013年の判決で、複数の症状がなくても認定できると判断した。 最高裁判決後、行政訴訟で水俣病の患者認定について判決が出たのは初めて。原告は最高裁判決前に申請を退けられており、今回の訴訟で新潟市が患者認定をしなかった判断の取り消しを求めていた。 西森裁判長はこの日の判決で、… この記事は有料会員記事
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