古くなった賃貸住宅の空き室は、一戸建て住宅と同じように増える一方だ。それなのに、所得が少なく身寄りのない高齢者や障害者らは、部屋探しに四苦八苦する場合が多い。岡山市では、不動産業者や弁護士のほか、連帯保証人となるNPO法人が協力し、住宅弱者のアパート入居を進めて空き室を減らそうとしている。 岡山市北区にある七階建て賃貸マンション「サクラソウ」。五十四戸の大半に精神障害者と高齢者が住む。築二十七年の建物は岡山市の不動産会社・阪井土地開発が所有する。社長の阪井ひとみさん(56)が、自分では住居の確保が困難な人のために六年前に購入した。