石川県加賀市で、障害者の視点から最新テクノロジーを活用したサービスを開発する官民連携の取り組みが動き出す。障害を持つ人たちの様々な情報を一元化して、課題や要望を把握。それに対応した技術開発を促し、実際にサービスを提供する機会を設けて実用化を後押しする。障害者やその家族の暮らしの安全性や質を高める一方、関連企業の集積など地域活性化にもつなげる。今回の取り組みは、スマートインクルージョンという発想
「年齢とともに、相手の話している声が聞きづらくなる」-。そんな高齢者の悩みを解決しようと、話し掛ける側が言い換えや発声を工夫するバリアフリーの取り組みが注目されている。言い換え用の電子辞書が開発され、企業向け研修会も開かれている。難聴は認知症などのリスク要因とされており、「聞こえないから」と閉じこもりがちな高齢者の介護予防にもなりそうだ。 ◆適切な言葉探し 東京・羽田空港のソラシドエア東京支社。客室乗務員らを対象にした「聞き間違えない話し方講座」が開かれた。 「年を取って難聴になった人は音が濁って聞こえる場合があるので、大きな声を出すだけでは不十分。低い声でゆっくりと。言葉の言い換えも有効です」 講師を務めたのはパナソニック補聴器の光野之雄さん。「例えば『握手』と『拍手』、『佐藤』と『加藤』は紛らわしい。まず子音が聞き取りにくくなるからです。『手を握る』と言い換え、名前をフルネームにしてみ
国土交通省は、障害者差別解消法に基づく航空旅客ターミナル事業者向けの対応指針を策定した。 2016年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)では、障害を理由とする差別を解消するための措置として、民間事業者に「差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」を求めている。 国土交通省では2015年11月、所管する事業向け対応指針を策定し、特に不動産業関係、鉄道事業関係など、9事業については個別具体的に対応のあり方をまとめている。 今回新たに追加する「航空旅客ターミナル施設事業」は、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」「観光立国実現に向けたアクションプログラム2016」に指針を追加するとされていたもの。 これを受け、国土交通省では、障害者団体や事業者団体からの意見も踏まえ、「航空旅客ターミナル施設事業」についての対応指針を策定し、国土交通省の対応指針
清水建設と日本IBM、三井不動産は26日、スマートフォンを利用した音声ナビゲーション(道案内)の実証実験を、東京・日本橋の商業施設「コレド室町」と周辺地下道で2月8日から行うと発表した。健常者と視覚障害者、車いす利用者にそれぞれ適した経路を日本語と英語で案内する。 清水建設と日本IBMの技術を組み合わせ、施設の天井に5〜10メートル間隔でビーコン(無線標識)224個を設置。専用アプリを入れたスマホで位置を認識し、案内する仕組み。行きたい場所をスマホに伝えると、経路を音声で案内する。 健常者の場合は最短経路を、車いすの利用者には段差が少ない経路を選び、視覚障害者には目的地までの距離などをきめ細かく案内し、利用者に応じた対応ができるという。2020年の東京五輪・パラリンピックを視野に、普及を目指す。
パナソニックは1月20日、視覚障がい者向けに美術鑑賞を楽しんでもらえるガイドサービスを開発。汐留ミュージアムにて実証実験を行なうと発表した。 美術館において、視覚障がい者が美術鑑賞を楽しむことができるように学芸員やボランティアが解説するというワークショップが進められているが、人員の確保など美術館の負担も少なくない。パナソニックでは、視覚障がい者のために制作した音声コンテンツを美術館内の場所に応じて骨振動ヘッドフォンで自動再生。1人で気軽に楽しめるシステムを開発した。 システムではスマホを利用して位置を検出し、スマホにインストールした専用アプリが作品の鑑賞ガイドを再生する。実証実験はパナソニック汐留ミュージアム、特別展「マティスとルオー展」内の8点で、2月1日(10時~12時)、2月18日(10時~12時)の2回に分けて行なう。定員は各回14名。操作説明とヒアリングが行なわれる。
白杖(はくじょう)を携えて歩くのは全盲の人だけという誤解から筋違いの非難や疑問視をされることがあると、弱視などの視覚障害がある人たちが声を上げ始めた。「白杖=全盲とは限りません」と書いたストラップや漫画で理解を求めている。 福岡県宇美町の佐子真紀さん(49)は右目が見えず、左目も視力は0・3だが視野に欠損がある。1、2年前、白杖を携え、地下鉄の車内で文字を拡大したスマートフォンを見ていると、向かいに座る若者の会話が聞こえてきた。「見えてるんじゃない?」「うそつきやん」 こうした誤解を解くため今夏、「白杖=全盲とは限りません」と書かれたストラップを購入し、白杖に着けた。ストラップには「白杖の天使 はくたん」というキャラクターが描かれている。 このストラップは神奈川県秦野市の渡辺敏之さん(46)が手作りし、今年に入って販売を始めた。左目にわずかに見える視野があり、自身も2度、スマホを使用中に「
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