フランスのマクロン大統領の再選は、欧州政治における同大統領の主導力の確立を意味する。ドイツの信頼性と発言力の後退にあって、フランスが欧州連合(EU)において中心的な、舞台回しの役割を担っていくことになると思われる。 再選が確実となった4月24日深夜、マクロン氏はエッフェル塔の前のシャン・ド・マルス公園に設けられた演壇に、夫人や親族十数人を伴って姿を現した。大勢の支持者を前に、「(対立候補に投票した有権者の)怒りや反対にはきちんと答えを出したい」「2期目は1期目の継続ではない」と、新たな心構えで政権を運営していく決意を明らかにした。 空回りも目立った1期目前半 39歳で大統領に当選したマクロン氏の1期目(2017年5月~22年5月)は、前半では試行錯誤と空回りが目立ったが、後半は政治の流れを引き付けて存在感を示した。 同氏は大統領就任から2カ月の間に、プーチン露大統領、トランプ米大統領を立て