自民党の新総裁に岸田文雄氏が決まった瞬間から、マスコミの報道は次の党幹事長は誰だとか、新内閣の顔ぶれはどうなるかとかに向かっている。そんな前のめりな報道が続くうちに、菅義偉首相がわずか1年で行き詰まったことなど忘れてしまいがちになる。 総裁選では、いずれの候補者も政府が行ってきた新型コロナウイルス対策等々について、厳しく総括することはなかった。結局、「もう過去の話」と人々に忘れてもらうための、にぎやかなお祭りだったと言うほかない。 だが、それでは自民党の思うつぼだと思うから、あえて立ち止まって考えてみることにする。菅氏はなぜ国民の信頼を失ったのか――についてである。 最大の理…