終戦後もしばらくベトナムに残った「残留日本兵」の妻で、昨年3月にベトナムを訪問した天皇、皇后両陛下と面会したベトナム人のグエン・ティ・スアンさんの葬儀が20日、ハノイ市内で営まれた。夫が日本でもうけた家族から夫の遺骨を分骨してもらい、夫とともにベトナムの土に眠ることになった。 18日に93歳で亡くなったスアンさんの葬儀には親族ら多くの人が集まり、在ベトナム日本大使館の梅田邦夫大使も参列した。遺骨は分骨された夫の遺骨とともに、ハノイ市内の郷里に埋葬された。 スアンさんは日本人の夫と1944年にベトナムで知り合った。夫は第2次世界大戦末期にベトナムに送り込まれ、その後もベトナムに残った残留日本兵だ。54年に、当時の北ベトナム政府が旧日本兵の帰国を決め、妻子帯同を認められぬまま日本に帰っていった。スアンさんは苦労して3人の子どもを育てた。 2000年代に入って行方が判明した夫は、日本で再婚してい