2016年9月にヨルダンでの出産の際に妻を亡くした新潟県南魚沼市の黒岩揺光(ようこう)さん(37)が病院側の対応に疑問を感じ、国境の壁を越えて真相解明を求めている。訴えは実り、昨年の夏、病院と担当の医師は起訴された。黒岩さんは、公判で真相が解明されれば、海外で不幸な出来事に見舞われた人たちへの励みにもなると期待している。【阿部亮介】 亡くなったのは韓国人のスージンさんで、当時33歳だった。スージンさんは韓国の大学で難民支援などを学び、在学中から難民支援団体でボランティア活動をしていた。05年10月にタイ・バンコクで開かれたNGOの国際会議で黒岩さんと知り合い、結婚した。スージンさんは国連職員としてジュネーブなどで働き、毎日新聞記者だった黒岩さんは、退社して専業主夫となった。