JR西日本は2016年度から、乗務員による人為的ミスについて、悪質なケース以外は責任を問わない「非懲戒制度」を導入している。2005年の福知山線脱線事故を教訓に導入した制度で、人為的ミスの責任を問わないかわりに、積極的にミスを報告させることが狙いだ。 日本経済新聞電子版(4月26日付け)によれば、制度導入初年度となる2016年度に発覚した重大ミスは85件。導入前の2015年度は、同様のミスを対象にした懲戒処分などが82件あったが、2016年度は、いずれも乗務員らを処分しなかったという。 このような人為ミスは責めない制度の導入は、航空業界などでも取り入れる動きがあるようだ。企業側にどのようなメリットがあるのだろうか。また従来であれば、懲戒処分になっていたものが処分されない点について、デメリットはないのか。神内伸浩弁護士に聞いた。 ●そもそも「懲戒処分」の目的とは? 「1つの試みとしては大変興