この夏、新しく本を出した。朝日新聞のブックサイト「好書好日」をはじめ、すでに書評がいくつか出ているが、肝心の自分の連載コラムでは触れていなかったので、ちょっと紹介しておきたい。この本は『オレは絶対にワタシじゃない トランスジェンダー逆襲の記』(はるか書房)というもので、これまでの自分のトランスジェンダーとしての生い立ちや、活動してきた約10年の軌跡をまとめたエッセイだ。 尊敬する作家の中島らもが「人を泣かせる文章を書くのはそんなに難しくないが、人を死ぬほど笑わせるような文章を書くのは難しい」というようなことを書いていたので、それに習ってできるだけ笑いをちりばめている。3ページに1回ぐらいは少なくとも笑わせようと思ってウズウズしているような本なのだが、今のところ各紙のインタビューや書評は総じてまじめなのが面白い。うっかり社会問題をテーマとして選んでいるので、そうそう他人が「笑った」なんて書け